14 ページ15
彼の唇は、とても熱かった。こっちまで身体が熱くなってしまい、頭がクラクラしてくる。
……でも彼のキスは私を黙らせようとする為のキスみたいで、私のこの重たい感情を、彼は「うるせェ」と言って、遮ったのだ。
『……もう、分かんないです』
総悟さんの胸を強く押し、彼から離れる。
視界がボヤけ、総悟さんの顔が真っ直ぐに見れない。
まるで誤魔化すような彼の行動に、私は惑わされてはいけないと、強く拳を握った。
『私はもう、要らないんですか?』
彼のシーツの上には、私の目から零れ落ちたもので歪な丸い染みを作っていく。見つかったのだ、彼の浮ついた感情の証拠が。
あのピアスの忘れ物。……イヤな女だ。
そこまでして、自分の存在を主張したいか。
『お待たせー。
仕事の電話だったんだけど、総悟は明日……』
部屋に入ってきた神威さんは、怪訝そうに私たちを交互に見る。私は神威さんを押しのけ、玄関を飛び出した。
躓きながらも走り続けて行くうちに涙が乾いてくれるかと思ったが、全くそんなことはない。
それが悔しくて、私は自分の価値の無さに悲しくなった。
496人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「銀魂」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
美空 - 完結おめでとうございます!とても素敵な作品でした!これからも楽しみにしてます! (2017年8月29日 2時) (レス) id: 611dba761a (このIDを非表示/違反報告)
ハル(プロフ) - ジュリさん» 最高ですか!! ありがとうございます! とっても嬉しいです! あんまりイチャコラを書かなかった作品ですが、ジュリさんがそう言ってくださったのなら良いです! 閲覧とコメントありがとうございました (2017年8月19日 11時) (レス) id: 677c22d7bd (このIDを非表示/違反報告)
ハル(プロフ) - ナナさん» ありがとうございます! 淡々とした夏休みの小さな暇潰しにでもなってくださったら嬉しいです( ´ ∀`) 新作の沖田は甘々ですが、こちらでは書かなかった甘い沖田を書いているので閲覧よろしくお願いします!! (2017年8月19日 11時) (レス) id: 677c22d7bd (このIDを非表示/違反報告)
ジュリ - あぁ最高です! (2017年8月18日 13時) (レス) id: 84c51744c8 (このIDを非表示/違反報告)
ナナ(プロフ) - 凄く良かったです!夢中で読みました!新作も読ませていただきます!!! (2017年8月17日 23時) (レス) id: 12c1829223 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ハル | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/harumemory
作成日時:2017年7月25日 11時