457.黄色Side ページ35
照史の誕生日当日
今日は昼から取材が1本だけ
昨日はAと2人で過ごしたらしく
終始ご機嫌な照史
顔に出てるんよな
ヘラヘラしとんねんw
�陲舛磴鵑�
なんやワチャワチャしとる
足首には見覚えのない
シルバーのアンクレット
その後ろに隠れている控えめな赤い跡
昨日の2人が楽しい時間を過ごせたんやって
ホッとする俺は変なんかな
・
2週間前のあの日
突然来た理由は
最後まで聞き出さなかった照史
嫌だ
怖い
なんで
こんな不穏な言葉を口にした彼女
俺やったら
何が何でも聞き出す
アイツの性格を知ってるからこそ
聞き出して一緒に背負う
背負いきれない事だとしても
口に出すだけで軽くなる事はある
聞き出さなかったのは
照史の優しさであり弱さ
大切な所で微妙に噛み合わない2人
いや、悪い意味で噛み合っとんのかも
どこまでも不器用
見てて歯がゆい
・
「照史の彼女に会いたかった〜」
そう叫ぶ�陲舛磴�
「会いたかった？」
「今日、照史の家でパーティーすんねんて！
俺仕事やもん」
「淳太君も来てや！」
今日は照史の友達が集まるから
俺にも誘いが来た
聞いた限りのメンツには
俺の知っとる人も居る
「Aも居るで、途中で帰るけど」
そうか、アイツも居るんか
二つ返事でOKした
・
差し入れを買ってから向かうと
もう部屋の中はパーティーやった
10人以上居るやんけw
「淳太ぁー！」
「淳太君久しぶりじゃん！」
酔っぱらい達の声に誘われて
料理が広げられたテーブルに向かう
「美味そうやな」
デパ地下グルメっぽいのもあるけど
部屋に漂ういい匂い
その時
後ろからAが
料理を運んできた
「お前が作ったんか
絶対美味いやつやん」
「それはどうかなw」
久しぶりに見た彼女は
少しヤツレたように見えるけど
照史の友達に混じって
楽しそうに過ごしている
これが見れただけで俺は満足
「最近どう？忙しそうじゃん」
見知った友達が話しかけてくる
気楽に過ごせる環境で力が抜けて
差し出された酒を飲みながら
周りと話し込んでいた
同じ業界人が多いから
話す内容は深くて濃い
有意義な会話と止まらない酒で
時間を忘れて飲み続けていた
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作者名：向日葵 | 作成日時：2022年6月8日 10時
