454.黄色Side ページ32
彼女の様子が気になって
いつもより早く楽屋に付いた
ドアを開けると
ソファに小さく座る照史と
その正面にガラ悪くしゃがみ込む流星
完全に「カツアゲやんけ」
おっと、声に出たw
振り返った流星と
眉の下がった照史と目があった
「泣いてた理由、わかったんか？」
そう問うた俺に
「A頑張れ、大丈夫って言ってって…お願いされた」
と
照史が小さな声で話し始めた
・
「言いたがらん事を
聞き出す事は出来ひん
その代わり…」
彼女の点滴が終わるのは15時
せめて側に居りたいと
主治医には許可を貰ったと話す照史は
浮かない顔をしている
「目ぇ覚めた時に照史がおったら
姉ちゃん喜ぶやろな」
弟の顔をした流星が
照史の気持ちを読んだかのように
ニコニコ笑って言った
「喜ぶと…思う？」
「当たり前やん」
心底不思議そうな顔をする流星を見て
困ったように笑った照史
「そっか…ほな行ってくるわ」
そう言うと楽屋を出ていった
その表情は相変わらず
困惑と不安が滲んでいて
さっきの収録でケタケタ笑っていた照史と
あまりの差に俺まで不安になる
「なぁ流星、お前なんか知っとん」
昨日と同じ質問をぶつけると
「知らん」と同じ答えが来た
予想通りでつい笑った
「淳太の笑顔なんてどうでもええから
姉ちゃんの笑顔がみたいわ」
ものすごく真面目な顔して
まあまあな事を言い捨てると
楽屋の隅に座って
聞こえないフリをしてくれてる�陲舛磴鵑�
絡みに行った
苦笑いした�陲舛磴鵑般椶�あったけど
まぁええねん別にw
俺かて、アイツの笑顔が見たい
最後に見たのは
妙なテンションのあの時
照史がカッコいいカッコいいって
恥ずかしげもなく流星と言い合って
昔みたいに俺に甘えてきて
怖い寂しいと口にした
あの薬を大量に飲んで…
俺のことを大切やって
俺の仲間を守るから少し待ってって…
あの時から拭い去れない違和感は
今回の事で濃くなった
なぁ照史
そんな顔すんなや
『あんな姿…もう見たくない…
あんな思いもさせたくないよ…』
そう泣きじゃくってた彼女を思い出して
胸がズンと重くなる
色々不安なのはわかる
何もかも同時進行で
心がついてこないのもわかる
でもな
そんな顔あいつに見せんな
アイツはちゃんと見てる
フとした表情はきっと
彼女の前でも出てる
頑張れ、大丈夫って言ってって
一体なんやねん、A
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作者名：向日葵 | 作成日時：2022年6月8日 10時
