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424. ページ2

「ええ色やな、似合ってる
 って、パジャマに似合うもなにもないかw」



返事をしながら
外では革紐に通して首に掛けてるリングを
服の中から引っ張り出す



その様子を見て彼女は嬉しそうに笑う





あぁ、俺の好きなAの笑顔や





手元の弁当と相まって
また泣きそうになる





俺…単純w





「照史、ご飯食べた?」

「今から食うねん」





固定したスマホの角度を変えて弁当を写すと
「…え?」と驚いたような返事が来た





「あれ?流星から聞いてない?」

「…?」





アイツ…
姉ちゃんに送るから!って言ってた癖に
送ってへんのかいw





「流星がな、持ってきてくれてん
 
 全然違う場所で仕事なのに
 リューセーイーツでーすってw

 まさかAの手料理食えるなんてな!」


「リューセーイーツw
 地味に遅れてきそうな名前だね
 『あ、1つ忘れてきた』とか」


「フハハハ!
 『ちょっと食うてもた』とかな!
 弁当潰れて無かったのは奇跡や」





2人でケラケラ笑う

一気に明るい時間になった





「りゅせくん、粋なことするね」

「ホンマやで」

「流星くんの夜食用だと思ってたから
 量少ないでしょ」

「とりあえず食うから!
 一緒に食べてる気分味わいたくて電話してん!
 いただきます!」

「フフフwどうぞ!」





電話越しでも
他愛もない会話をしながら
彼女の手料理食べるって





幸せやな





普通が一番幸せで

普通が一番難しい





子供の頃はピンと来なかったけど
大人になると身にしみる言葉





特に今は





ニコニコ笑いながら
ゆっくりとした口調で
今日の出来事を話す彼女





久しぶりに食べた彼女の手料理と

何気ない会話

滲む涙を必死に堪えながら

他愛もない話をする彼女に相槌を打つ





小さな弁当は

その気になれば一瞬で無くなる量



勿体なくて少しずつ食べていたけど

それでもすぐに無くなった





「ごちそうさま!美味かった!」

「もっと大きくすればよかったな…」

「なぁA…ありがとな」

「ん?」

「今度は俺がご飯作るから!」





なぁA
この弁当で「ご飯作る」って約束は果たしたで


もし「次」が無かったとしても
約束守れなかったなんて思わんといて


これ以上
俺との事で傷つかんとって欲しい





言うたら確実に伝わる事こそ
なかなか口に出来ひん





「照史の料理楽しみ」って笑う彼女を見てたら

胸がいっぱいになる





泣くなよ、俺

絶対泣くな

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作者名:向日葵 | 作成日時:2022年6月8日 10時

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