二話 ページ6
「と、言うことなんですA先生！」
「………はぁ。」
魈にあって二日過ぎた頃。なかなか執筆活動が進まなかった私は璃月の街並みを歩いていたところ、突然茶屋の看板娘に呼び込まれ、半ば強引に店へと連れ込まれた。
そこで呑気に茶をすすりながら、娘の話を聞いていた。
「あの美しく儚げなご尊顔に、他を寄せ付けぬ冷徹な瞳…！
正に、絶世の美少年仙人…！！」
話の内容は大まかに言えばこうだ。
彼女は茶屋の仕事の為、店に飾る清心を探していたのだという。
しかし、店に戻る最中、魔物に襲われせっかくの花を踏み潰されてしまったのだと。
絶体絶命のそんな危機に、恐ろしい夜叉の儺面を被った少年が魔物を追い払ってくれたのだと言う。
彼はその槍で迅速に魔物を狩った後、清心を摘んでいたことを察してか、自分が持っていた清心をくれたのだという。
それが三眼五顕仙人、降魔大聖であると聞き、仙人に詳しい私に話を聞きたいと呼び込んだらしい。
まぁ、仙人に詳しいどころか私は仙人だし、あろう事か彼女が惚れたとうっとりする相手は私の恋人な訳だが。
この前、私に渡そうとした清心を散らしたなんて言っていた魈がまさかそんなことをしていたとは…。
思わぬ所で彼の優しさを垣間見た反面、他の女性に優しくしているところに僅かな不満を抱いた。が、そんな感情は醜く思え、すぐさま頭から消し去った。
「命短し、恋せよ乙女！ですよ！先生！
確か先生は仙人の話をお書きになられてるんですよね！何か、夜叉に関するお話はありませんか！」
「え、えぇと…そうだなぁ…。」
「そういえばこの前の恋愛小説読みました！何か恋を成熟させるアドバイスとかってないですか！」
「ぇぇ……急にハードル上がった………。」
一体何が嫌になったら自らの恋人を女性に紹介するのだろうか。しかし、ここで「私が彼と付き合ってます」とか言ったら別の意味で彼女が騒ぎそうで私は硬く口を結んだ。
「そもそも夜叉っていうのは、あんまり人を好まないし…彼はその上で仙人だし……。」
「でも法律家の煙緋さんや七星秘書の甘雨さんは半仙なんでしょう？万が一があるかもしれないじゃないですか！」
「いや、でもやっぱり住む世界が違うと大変で…。」
「恋を前に障害がなんぼのもんだと思いませんか？！先生も小説で使ってたじゃないですか、「最後には愛が勝つ」って！」
正確には、「最後には愛が勝つとはよく言ったものだ。」なんですけどね。
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なぎ - ほんま神なお話！！なんかもう全てが尊い！！！一気見しました！これからも応援させていただきます！ (3月24日 9時) (
レス) @page8 id: 6ae8607e98 (このIDを非表示/違反報告)
書籍姫(プロフ) - Sukidesu…(尊さによって崩れ落ちる私の図) (11月26日 21時) (レス) @page8 id: e3ea7725f8 (このIDを非表示/違反報告)
えす氏 - ほんとに面白くて、何回も読み返しちゃいます！更新待ってます‼︎ (2022年12月23日 21時) (レス) id: 62d33eea18 (このIDを非表示/違反報告)
匿名 - ウﾞワﾞ…ッ!!(ｴｯてぇてぇ…！、?？)(情緒不安定)…えっ、えっ?？(てぇてぇの再確認)…ｳﾞﾜﾞｰ---ｯｯ!!!(好きですありがとうございます)(いつもてぇてぇと唐突なシリアスで心臓発作を起こしながら見てます。好きです。これからも応援してます!!長文失礼しました) (2022年11月18日 16時) (レス) @page8 id: 1aec65c647 (このIDを非表示/違反報告)
アイ(プロフ) - キュンです、続き楽しみにしてます！頑張ってください！！ (2022年11月14日 1時) (レス) @page7 id: 11d3875155 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：とりまろ。 | 作成日時：2022年11月13日 14時
