霧戦 ページ38
「今日の対戦は体育館で行われるそうですよ」
「ふぅん、そう」
「雲雀先輩も行きましょう。観戦の時は群れることになっちゃいますけど……」
「君は今日対戦する人を知っているの?」
「え? えっと……」
「知ってるんだ」
「あう……その……」
「……いいよ。早く行こう」
「は、はい。ありがとうございます……」
体育館に入ると、雲雀は露骨にむすっとする。案の定人が多いからだろう。
何も言わずにツナたちから距離を離す。少し離れたところで観戦することにしたらしい。
「A! だ、大丈夫? あの後熱出したって……」
「大丈夫だよ。ちゃんと熱は引いたし、体もだるくない」
「そっか。よかった……」
安心したようにツナは短く息を吐いたかと思えばぞくりと身を震わせた。
「こっちの霧の守護者のお出ましだぞ」
リボーンの言葉とともに現れたのは黒曜の制服を身に纏った2人の学生がいた。ツナたちには見覚えのある顔。
城島犬と柿本千種だった。
「ああ!! そうだった!!」
「あ……あれ……? あいつらって」
「バ、バカな! なんでこんな時に!!」
「落ち着けお前たち、こいつらは霧の守護者を連れて来たんだ」
「何言ってるんスかリボーンさん! だってこいつら……っ、ま、まさか! 霧の守護者って……!」
「こいつらが連れてくるってことは……」
「う、うそだ……霧の守護者って……ろ、六道骸!!」
「クフフフ、クフフフフ」
あの笑い声だった。
でも声は男のものではない。心なしか犬と千種の表情が曇っているように見えた。
「
かつん、とブーツの踵を鳴らして現れたのは黒曜の女子制服に身を包んだ少女だった。
「
「六道骸じゃ……ない!?」
どこか六道骸を匂わせるような少女が三叉槍を手に、立っていた。
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作者名:うがつ | 作成日時:2022年9月22日 23時