風戦 ページ34
完全に特別仕様に改造されたプールに集められるツナファミリーとヴァリアー。
プールの上にそのまま空中にフィールドが展開されていた。
綱渡りをするかのように太めのワイヤーと、様々な形の足場、これだけ見れば空中アスレチックのように見えるが、やはりバトルフィールドと呼ぶに相応しく足場は人1人どころか、片足でしか乗れないほど小さい。
特に異質なのはプールの中だ。明らかに有害そうな液体がなみなみに入っていた。
「これが今宵のバトルフィールドとなります。足場になるワイヤー等には特にこれと言った仕掛けはありません。ですがプールの中の液体は触れれば数時間で死に至る劇物ですので触れぬようご注意を」
足場から落ちれば死。風を操る力がなければ今すぐ逃げたいくらいの厳しい条件にAは顔をしかめた。
「風の守護者のお出ましだぞ、ツナ」
「え?」
「こんばんは……ツナ」
「なっ、A!? なんで!!」
「今リボーン君が言ったじゃん」
「うそだろ……Aが、風の守護者……? だっ――」
だめだ。そう言おうとしたツナの口をAは両手で塞ぐ。
「止めないで。今ツナにだめとかやめてとか言われたらせっかく固くなった意思がまたブレちゃう」
「A……」
「それに私結構強いんだから! だからちゃんと見てて」
「よし、では円陣行くぞ!」
「うんっ! ずっと楽しみだったんだ、みんなと円陣組むの!」
初日から混ざりたかったAはうきうきと円陣に混ざる。
「Aファイッ!!!」
「「オーーー!!!」」
「よし、行ってきます! 雲雀先輩も! 行ってきます!」
「えっヒバリさん!?」
円陣が終わってから雲雀が現れ、Aの手のひらに静かにキスをした。
「行ってらっしゃい。僕はここにいるから」
「っ、はいっ!!」
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作者名:うがつ | 作成日時:2022年9月22日 23時