晴戦 ページ18
――22時47分
(少し早かったかな……あ、でもヴァリアーのレヴィは2時間前から待機してるんだっけ。流石に2時間前はなぁ……)
特設リングが見える所で静かな呼吸を繰り返してその時を待っていた。
「し、静かだね……本当に並中でよかったのかな……」
「奴ら、まだ来てねーのかな」
「とっくにスタンバイしてますよ」
「厳正なる協議の結果、今宵のリング争奪戦の対戦カードが決まりました。第1戦は晴の守護者同士の対決です」
「晴の守護者同士の対決……ってことは、お兄さん!」
「よくお集まりいただきました。それではただいまより後継者の座を賭け、リング争奪戦を開始します」
「「あちらをご覧ください」」
チェルベッロが指を指した先にあったのは晴の守護者の勝負のためにチェルベッロ機関が用意した特設リング。
「な、何これ!!?」
晴の守護者の特性を考慮したリングで、リング争奪戦では各勝負ごとに特別な戦闘エリアを作るらしい。
(風戦はどんなリングになるんだろう……嵐戦みたいな感じになるのかな)
「ケッコー金かかってんね」
「でも勝負は見えてるんだ、無駄遣いだよ」
「ねぇ? ボスまだかしら? 私の晴れ舞台だっていうのに〜〜」
「欠席みたいだね」
「あの男が他人の戦いに興味あるわきゃねぇ」
「まあ、ボスだし」
「そもそも奴のガラにもねえようなこんなセコイ勝負受けねえで俺に殺らせればいいんだ。あんなガキども5秒でかっさばくぜぇ…………」
(……昨日もいた人。あの人が私の相手なのかな)
スクアーロの横に立つ男。白を混ぜたような淡い水色の髪をした男。
「……なんかガン見してる奴いるんだけど、マーモン」
「いるな」
「わかってるよ、あいつ守護者でもないのに。見物料ふんだくってやりたいよ」
(私についてはノータッチだなぁ)
「それでは晴の守護者、リングの中央へ来てください」
「行ってくる! 任せとけ!」
「お、お兄さん……」
「なあツナ、円陣とか組まねーの?」
ツナたちが円陣をするのを見て、自分も参加したかったなと1人密かに思ったAだった。
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作者名:うがつ | 作成日時:2022年9月22日 23時