保育係 ページ40
(リボーン直々に呼ばれるなんて何気に初めてじゃない?)
そんなことを思いながらAは放課後、集合場所に向かっていた。少々掃除が長引いて遅れてしまったが大丈夫だろう。
「ごめんなさいリボーン君、掃除長引いて遅れちゃっ、えぇっ!? 何してんの!?」
Aが驚くのも無理はない。集合場所についたかと思えばランボがぎゃんぎゃん泣いていたのだ。どうしようかと思いながらもランボの元に駆け寄るのと、ハルがツナたちを叱るのはほぼ同時だった。
「A! それにハル!? なんでお前がうちの学校にいるんだよ」
「新体操部の交流試合に来たんです!」
ひとまずランボをどうにかするかと思ったAが鞄の中からポーチを取り出してランボと目線を合わせるようにしてしゃがむ。
「ランボ君だよね? ツナから話は聞いたことあるよ。痛いところお姉さんに教えてくれる?」
目に大粒の涙を浮かばせながらランボは左頬を指差す。
「うんうん、痛かったね。怪我したところにガーゼ貼るから、ランボ君はお鼻綺麗にしよっか」
と言ってティッシュを渡すとランボは鼻をかむ。その間にAは手際よくランボの右頬にガーゼを貼った。
「うん偉いね。そんな偉いランボ君には飴玉をあげよう。何味が好き?」
「ぶどう!」
「ぶどうあったかなー? あ、あった。はいどーぞ」
ぶどう味の飴玉をころころと口の中で転がすランボはすでに上機嫌だ。ハルも交じり、先ほどとは違う和気あいあいとした空気が流れていた。
一方、ツナたちはAの手際の良さに唖然としていた。
「ハルも行けそうだがAが一番向いてるな」
「そうかも……で、でもだめだよ! Aにこれ以上迷惑はかけられない!」
「よく考えろツナ。ランボはAと一緒にいれば大人しいはずだぞ」
「それは、そうかもしれないけど……」
「オレは認めません!」
「そうは言ってもな。Aが今のところ一番ランボの扱いが上手いぞ」
「でも、あいつはファミリーじゃありません!」
獄寺の言葉にツナが思い出したかのようにハッとする。確かにランボは幼く、あほだがマフィアだ。マフィアが関係するものにAを巻き込めない。
余計なことを言うな、と言わんばかりにツナがAの方を見ているうちに獄寺の鳩尾に一発蹴りを入れる。綺麗に鳩尾に入ったからか、獄寺は膝から崩れ落ちた。
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作者名:うがつ | 作成日時:2022年9月18日 16時