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「まず前提として神は私一人ではない。日本でも八百万の神々だとか言われてるだろう? 人間にも色々いるように、神にも色々いるんだ。ワーカホリックな者、まだまだ未熟な者、無責任な者……その無責任な者が「面白そう」という理由だけで様々な漫画の世界に大量に人間を転生させたんだ。一回や二回、早く死んでしまった者への慈悲などではなく、だ」

「なるほど……」

「その漫画の世界にちらほら変異はあったのだが、私を含めた他の神々が物語を矯正することによって事なきを得たんだ。記憶を消したり、原作のレールに無理矢理転生者を乗せたりしてね」

「じゃあ何故リボーンの世界には私が行く必要が?」

「我々でも修正しきれないほどの変異が生まれてしまったんだ。あの世界にはマフィアがあり、ボンゴレリング、マーレリング、アルコバレーノのおしゃぶり、という代物があるのは君も知っているだろう? それがそれぞれ一つずつ増えてしまったんだ」

「えっ」

「そしてその増えたものは誰も使いこなせず、やむを得ず私たちは使いこなせる者を探したんだ。かなり時間はかかったけどね、見つけられたよ」

「その使いこなせる者というのが私というわけですか……でも、私特に何かできるってわけじゃないですよ?」

「こればっかりは身体能力だとかそういうのは関係ないんだ。普通に生きていた君が適合者だった。ただそれだけなんだ。何の因果かは私たちにもわからない。そもそも増えたこと自体がイレギュラーなんだからな」

「……あれ、待ってください? アルコバレーノのおしゃぶりも私が引き受けるということになりませんか? 私赤ん坊になるんですか!?」

「いや、ならないよ。アルコバレーノの呪いはもう受けたことになっているから」

「もう受けたことになってる?」

「私たちの都合で無理やり連れてこられた、というのが呪いだ。このくらいの救済は合ってもきっと罰は当たらないだろう。この呪いについては他の神々とも相談している。皆、君に謝りたいと言っていたよ」

「もういいですよ。ここで私が拒んだらきっともっと困った顔をするんでしょう? それに私以外にいないらしいですし……選ばれたのなら頑張ってみます。キャラクターに会えるのは正直結構嬉しいし」


眉を下げながら笑う。神はそれ以上謝罪の言葉を口に出すことはなかった。

あまり謝り続けるときっとAはその小さな体に負の感情を溜め込んで決壊してしまうだろうから。

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作者名:うがつ | 作成日時:2022年9月18日 16時

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