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白いケーキの箱を片手に応接室の扉をノックする。

扉の向こうから入室の許可を促す言葉を貰い、Aはドアノブを捻った。


「失礼します……」


おずおずと中に入り、早速Aは雲雀にケーキを渡した。


「朝の電話で言われた通りビターチョコ使って甘くないのにしました。……合ってますよね?」


フォークで切り分け、一口食べると雲雀の表情が柔らかくなった気がした。


(口に合ったみたい!)


心の中でガッツポーズをした。

やはり自分の作ったものを褒めて(この場合は別に褒めてもらってはいないが)もらえるのは無条件に嬉しいものがある。


「君の分は?」

「私の分というか、まだありますけど……」


獄寺用に作ったが、渡せずに余ってしまったケーキをちらりと見ながらAは言う。


「なら君もここで食べなよ」

「えっ? でも……」

「何?」

「んぐ……。えっと、飲み物……取ってきていいですか……?」

「ここにコーヒーメーカーあるから淹れなよ」


頭を抱えてからAは諦めてコーヒーメーカーを操作する。

コポコポと音を立ててコーヒーのいい香りが広がっていく。


「ミルク、入れますか?」

「いらない」

「わかりました」


コーヒーカップを雲雀に渡す。


「どうぞ」


食べ終わったAが応接室を出ようとする。


「待ちなよ」


呼び止められるような気がしていたAはまた頭を抱える。


「草壁、僕は屋上にいるからね」

「わかりました」


喉から変な音がしたのが聞こえた。

だがそんなAを無視して腕を取り、ずるずると引きずられる。


(風が吹けば雲が動く……でもやっぱりこの状況は私が振り回されてるんだよなぁ……!!)


この後しっかり枕にされたAだった。

問7→←-2-



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作者名:うがつ | 作成日時:2022年9月18日 16時

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