お願い ページ5
冬美「何で
玄関の戸を開けて外に出始める2人に問いかける冬美
2人はそれに返答しなかった
冬美「ま、待って！待って2人共！！」
それを冬美がサンダルを履いて追いかけて引き止める
冬美「病院に行くのなら、私からお願いがあるんだけどいい？
＿＿＿＿＿＿…A！」
『…私？』
Aの肩を掴んで張り切った様子で言う冬美
冬美「焦凍も！Aがとびっっっきり可愛くなった姿見たくない！？」
その言葉に焦凍は直ぐに頷いた
結果、部屋に逆戻りした3人
一度部屋を退室した冬美が持ってきたのは1つの紙袋だった
冬美「私の勝手なお願いなんだけどね
Aに、
そう言って紙袋から取り出したのは真っ白な綺麗なワンピースだった
『それは…』
冬美「ほら、覚えてない？
Aが昔よく白いワンピース着てたの
お母さんがね、その事をよく話すんだよ」
その言葉に2人が目を見開いた
もう随分前の話、勿論母が入院する前の話だ
Aは幼い頃、白いワンピースを気に入ってよく着ていた
母の髪に似た白いワンピースが走る度に揺れるのがAは凄く好きだった
冬美「ほら！焦凍なんてその頃、
「俺はAと結婚するんだー！」ってよく言ってたじゃない！」
焦凍「…い、言ってた」
冬美の言う通り、
幼少期の焦凍は毎日そんな事を言っていた
昔のことを言われて流石に恥ずかしいのか、焦凍は頬をかいた
冬美「それでね、小さい頃の焦凍には
その白いワンピースが"ウエディングドレス"に見えてたのかもねー、なんてお母さんと話しをしてさ」
焦凍「お母さんが？」
冬美「うん、それでね…
Aが白いワンピース着た姿をまた見たいって」
『＿＿！』
じわ、と目元が熱くなるのを感じた
それは自惚れてもいいだろうか
母は自分に会いたいと思ってくれていると、
勘違いしてもいいだろうか
『姉さん…』
冬美「？…てA！？」
焦凍「A！」
突然、Aがその場に崩れ落ちた
冬美が呼ばれて振り返るとAの目からは涙が零れていて、驚いているうちに畳に膝を落とした
慌てた焦凍がAに寄り添い背を撫でる
冬美「だ、大丈夫！？どこか具合悪いの！？」
彼女も普段涙なんて流さない妹がぼろぼろ泣いている事に驚いて畳に腰を下ろした
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 459人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ヒロアカ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
レイ - 毎日楽しみに待ってます！ (2022年12月25日 0時) (
レス) @page49 id: a3782054c4 (このIDを非表示/違反報告)
ミルク(プロフ) - 今週も更新ありがとうございます！ (2022年11月12日 23時) (レス) id: 19cd532bd7 (このIDを非表示/違反報告)
秋田犬 - 私、最近ヒロアカのアニメを見始めたんですが、この作品は、原作を変えすぎないのが、いいと思います。また、更新が早いので嬉しいです。ありがとうございます。 (2022年10月23日 9時) (レス) @page29 id: c17fc87cc6 (このIDを非表示/違反報告)
素因数分解(プロフ) - 面白くて一気読みしてしまいました…！これからどうなっていくか楽しみです。応援しています！ (2022年10月9日 0時) (レス) @page3 id: 98917b6f0c (このIDを非表示/違反報告)
ミルク(プロフ) - 面白すぎて、昨夜一気読みしました！蝶の舞う呪いを以前読んでいたので、また作者様の作品に巡り会えて嬉しいです♪ (2022年10月8日 21時) (レス) id: 19cd532bd7 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：甘党組 | 作成日時：2022年10月7日 16時
