魅惑のレディにプロポーズ

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『ねえ、今日は帰りたいって言ったよ？』





「…。」





『紫耀くん？』



「帰さないって言ったよ」




『喧嘩、したくない。』


「俺もしたくない。」


『でももうしてるじゃん』


「だね。」


『だから帰るの』

「だから無理だって」

『なんで！？』

「一緒に居たいから」





『…喧嘩してるのに一緒に居たいの？』


「1ヶ月会えないよりはマシ」

　





『…。』






痛い所を突かれた。





最近、出張が重なって、全然会えてなかったから。

　







もし、私が密かに考えていることを話をしたら
どうなるんだろうか。





もっと会えなくなるとしたら。








…きっと、もっと、怒るんだろうなぁ。
　






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『…はあ。』




小さくため息を吐いた。





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「なに？」




『え？』





「ため息。」




『なんでもないよ。』




「そんなことないでしょ」



『…そうだけど。』

「じゃあ言って、なに？」



『言わない。』



「は？なんで？」



『…言ったら、もっと怒るかもだから。』









「…。なに？

　




　…男でも出来たの？」







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『…ねえ、バカなの？』



「よく言われる。」



『なんでそうなるの？』


「それ以外思い付かないから」


『そんなわけないでしょ。』


「わかんないじゃん」


『もう、怒るよ！』


「俺はもう怒ってる。」


『知ってるよ！』





「これ以上、怒るとか、

　…は？なに？

　同棲のことも、全然頭にないみたいだし。


　…浮気以外、なくない？」



『だから、違うってば、』

「わかんない。」

『わかんないって、、やめてよ、』



「…Aのことマジでわかんない」


『…。』


「俺はAだけなのに。」

『ねぇ、ほんといい加減にし…』

「わかんねぇって！！！」






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大きな声を出すから、驚いた。




『…。』






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「…、ごめん、今のはほんとにごめん。」




そう言って、今度は彼がため息をつく。







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紫耀くん、すごく疲れてるんだ。









肩肘をドアに付いて頭を抱え、難しい顔をして運転しているから






ちゃんと、気持ちが伝わるように



彼の太腿に

そっと、手を置いた。









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