魅惑のレディにプロポーズ

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「お願いしまーす！」

『お願いします、』





スタッフさんに挨拶して、撮影に入る。


ふと部屋の入り口を見ると、



あれ？



スタッフの人と談笑しているAがいて。






…見学？


なにこの展開。

フフッ、会えたらいいね、どころじゃないじゃん。







緊張は高まるけど、不思議とワクワクも高まる。






俺見て、ドキドキしてくんないかな。





そう思うと、いつもより、ポーズにも熱が篭る。








たまに視線を送っても、相変わらず凛と、そこに立っているから





ねえ、もっと動揺してよ


もっと、俺のこと見て


お願い、夢中になって




カッコよく見られたくて、必死になった。









ー 次、2ショットいきます





あ、そうだ、忘れてた。今日、カップル撮影だ。


女優さんとかなり近い距離でポーズを取る




正直、見られるのは気まずい。


でも、Aはどう思うんだろう？


ヤキモチ妬いてくれたり、するのかな？





反応が少し気になりながらも撮影は進み、

そのうち彼女は部屋を出て、

そのまま戻ってくることはなかった。






撮影が終わると、他の現場へ行くため、急いで移動する。







…Aに挨拶出来なかったな。



もう一回あの制服、見ときたかったなぁ、

あ！こっそり写真撮ればよかった。

でもバレたら俺やばい奴だよね。


まあ、夜また会えるしいっか。





そっか、今日、また会えるんだ。





フフッ。


何、買って帰ろっかな、

Aの好きなオリーブのサラダがいいかな、






なんて移動中も、考えるのは彼女のことばかりで。








"早く、自分のものにしてしまいたい。"







日に日に深くなるこの気持ち。





"そんな深く考えないで、もっと自分の気持ちに素直になって楽しんだら？"


"人生、一回きりっしょ！"







ジンの言葉を思い出す。









ー やっぱり、踏み込んでみようかな。









そんな思いが渦巻いた。









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