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一通りの案内をして、私は部屋の外で待機、の予定だったんだけど…
「せっかくなので、少し見学されませんか?」
と、仲良くなった出版社の女性にそそのかされ、今に至る。
完全に、興味本位で、"いいんですかー!?"
なんて、ノリノリで撮影する部屋に入ったんだけど。
少しだけ、後悔。
紫耀くんは、バスローブ姿で、
窓際に立ったり
真っ赤な花びらが散るベッドに腰掛けたり
次々にポーズを決めて、シャッターを切られていく。
…別の人、みたい。
紫耀くんがこのお仕事で活躍している理由がよくわかった。
か、カ、カッコイイ…。
口が開きそうになるのを必死で自制する。
なのに、たまにがっつり目が合うから、その度に
ドキン、と心臓が音を立てて、意識を持っていかれる。
もう紫耀くんしか見えなくて、見つめ合って、
まるで、二人だけの世界にいるみたいな錯覚。
…こんなの、勘違いしちゃうよ。
って!ちょっと!!
私、顔赤くなってないよね!?
仕事中だよ!し、ご、と、ちゅう!!
ハッとする度に、そう、自分に喝を入れていた。
ー 次、2ショットいきます
スタッフさんの声が入り、最近よく見かける、綺麗な女優さんが、下着姿で入ってきた。
メイクさんが紫耀くんのバスローブを更にはだけさせる。
あ、そういう感じの撮影ね。
仕事だってわかっているのに、
胸が痛い。
…見たくない、かも。
紫耀くんが、女優さんに向ける視線に、キョリに、
堪らず目を逸らした。
…ッ。
持っていた資料を、グッと握りしめる。
胸がズキズキとし始めた頃、
「Aさん、ヘルプ、お願い出来ますか?」
『はい、Aです、すぐ向かいます』
インカムに助けられて、私は部屋を退出した。
ー やっぱり、紫耀くんは遠い人。
現実を目の当たりにして
今日の夜が、少しだけ、憂鬱になった。
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ayuha(プロフ) - Ririさん» ありがとうございます^ ^ 続編もよろしくお願いします^ ^ (2020年4月15日 2時) (レス) id: 440601f2ea (このIDを非表示/違反報告)
Riri(プロフ) - 楽しく読んでました!続き楽しみにしてます! (2020年4月13日 19時) (レス) id: f428253083 (このIDを非表示/違反報告)
ayuha(プロフ) - スマイルさん» わあ!嬉しいお言葉ありがとうございます^ ^ 今後も好きなお話でいさせてもらえるよう頑張ります! (2020年4月12日 22時) (レス) id: 440601f2ea (このIDを非表示/違反報告)
ayuha(プロフ) - Azukiさん» そんなに褒めて頂いて嬉しい限りです!ありがとうございます^ ^次からの更新、ちょっと緊張しますが笑、楽しんでもらえるよう頑張ります (2020年4月12日 21時) (レス) id: 440601f2ea (このIDを非表示/違反報告)
スマイル - 【キミのchudoku】に凄くハマって、こちらの作品も読ませていただいてます!今一番大好きな作品です!!言葉の言い回しや設定など全てが完璧で……!すごいと思います☆更新頑張ってください! (2020年4月12日 18時) (レス) id: fa4e9d81aa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ayuha | 作成日時:2020年4月1日 21時