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ハルノマボロシ<11> ページ44

♡side


『てごちゃん!ヒヤヒヤさせないでよ』

『手越、こんな大事な日に遅刻するか?』



けーちゃん?シゲも…。
え、ライブ……?
どして?
おれ、もう……。




『ごめ…、おれもう一緒には……』

『なに言ってんだよ』

『そーだよ!』

『頭でもぶつけたか?』



2人とも笑ってる。
でも、でもおれ……
一緒に歌う資格ないんだ……。




『手越、しっかりしろ』

『シゲ……』

『そうそう!俺たちいつでもてごちゃんの味方よ!』

『けーちゃ……』



ほら、まっすー待ってんぞ。
そう言ってシゲがマイクを渡してくれる。
いつも使ってたマイク。
少し先のステージで、タカが笑ってる。
そうだ。
まだ立ち止まるわけにはいかない。
いつか……追いつくまで
止まるわけにはいかないんだ。



「ゆうや、おいで」



タカの呼ぶ声がする。
……行かなきゃ。





「…………」

「ゆうや!」

「…ぁ、………」

「よかった…。急に倒れるからビックリした」




夢、か……。
そうだよね。
でも、やけにリアルだった。
まだ4人でいた頃の、幸せなゆめ。
タカは痛いくらいに抱きしめてくれる。
服をきゅっと掴むと
少しだけ身体が離れてタカがおれの顔を
覗き込む。



「……お前の声は俺が絶対取り戻すから」

「………」

「だから、不安になったりしないで」

「………っ」



パタパタと頬を伝う涙を
親指で拭いながら優しくキスをくれるタカ。
顔中に落ちてくるそれを受け止めていると
ひょいっと抱き上げられて
そのまま寝室へ連れて行かれた。




.

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りお(プロフ) - ○○さん» いつもありがとうございます(^^)。おかげさまで完結することができました!その後のお話もぼちぼち書いていきますので、また遊びに来てください(^^)。ありがとうございます! (2021年3月20日 15時) (レス) id: c93f364402 (このIDを非表示/違反報告)
○○(プロフ) - ハルノマボロシ完結お疲れ様でした!今回のお話は読みながら時々ウルっときちゃいました。ラブ甘と切なさともどかしさが次話への楽しみを倍増させてますね(^^) りおさん凄いです!! (2021年3月20日 9時) (レス) id: e95240eb5e (このIDを非表示/違反報告)
りお(プロフ) - ○○さん» ありがとうございます!そう言っていただけて本当に嬉しいです!!今のお話も終わりに近づいてきましたが、もう少しお付き合いいただけると幸いです(^^) (2021年2月16日 22時) (レス) id: ff25befd3c (このIDを非表示/違反報告)
りお(プロフ) - ネコさん» ありがとうございます(^^)。物語も終わりに近づいてきました。もう少しだけお付き合いくださいね(^^) (2021年2月16日 21時) (レス) id: ff25befd3c (このIDを非表示/違反報告)
○○(プロフ) - こんにちは(^^) 今回のお話は切なくて泣けちゃいます。りおさんのお話は飽きないんですよねぇ。。どの作品にもラブ甘が満載で嬉しい!忙しい中更新ありがとうございます。続きも楽しみにしています(^^) (2021年2月16日 9時) (レス) id: e95240eb5e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:りお | 作成日時:2020年11月11日 4時

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