birthday concerto＜4＞ ページ4
▽side
ホテルからゆうやのマンションまでは10分くらい。
エントランスでインターホンを鳴らすけれど
応答はない。
マジか……
電話をかけてもコールが延々と鳴るだけで
こっちも応答がない。
寝てんのかな。
もうすぐ日付が変わる。
今年も遅刻なんてことになったら
シャレになんない。
ダメもとでインターホンをもう一度押すと、
ロックが解除された。
エレベーターを降りると、ゆうやの部屋はすぐ。
玄関の前に立った瞬間に、扉が開いた。
「……おかえり」
「ただいま」
笑って迎えてくれたゆうやを力いっぱいに
抱きしめる。
「遅いから待ちくたびれちゃった」
「ごめん」
「もう日付変わっちゃうじゃん」
「でも間に合ったでしょ？」
「んー……。そ、うだけどさ」
寝起きのふわふわしたゆうやは
本当に子供みたいで純真だ。
プリプリ怒っている割には
テーブルには俺の好きな料理ばかりが並んでいる。
どっちの誕生日だよ……。
「本当にごめん」
「んー？」
「実は、さ」
こんな時間になってしまった経緯を
説明している間、ゆうやはずっと黙って
聞いてくれて最後にニッコリ笑った。
「そっか」
「ごめんな…」
「どして？たかはしくんのこと置いて
おれん家来る方がやだわ」
「怒ってないの？」
「怒るわけないじゃん！教えてくれて
ありがと」
じゃー、ごはん食べてきたんだね。
これは明日温めて食べよ。
そう言って料理を片付け始めたゆうやを
後ろから抱きしめる。
「タカ？」
「………誕生日おめでと」
「…ありがと」
「これ」
「え、」
「誕生日プレゼント」
「うそ……」
「別にそんな驚くことないでしょ」
「………………だ、って」
今年のプレゼントは、俺とお揃いの
例のバングル。
ゆうやはそれを見た瞬間に涙ぐんで
俯いてしまった。
「タカ、匂わせ嫌いだって……」
「嫌いだよ？」
「だったら……」
「堂々としてるのは、いい」
「そーゆーもん？」
「そーゆーもん」
互いの目を見つめながら、ふふっと笑って
唇を重ねる。
ねぇ、ゆうや。
恥ずかしいから言葉には出来ないけど
生まれてきてくれてありがとう。
これからも隣で笑っていて。
それだけで、俺の人生は綺麗に
色づくんだ。
.
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りお(プロフ) - ○○さん» いつもありがとうございます(^^)。おかげさまで完結することができました！その後のお話もぼちぼち書いていきますので、また遊びに来てください(^^)。ありがとうございます！ (2021年3月20日 15時) (
レス) id: c93f364402 (このIDを非表示/違反報告)
○○(プロフ) - ハルノマボロシ完結お疲れ様でした！今回のお話は読みながら時々ウルっときちゃいました。ラブ甘と切なさともどかしさが次話への楽しみを倍増させてますね(^^) りおさん凄いです！！ (2021年3月20日 9時) (レス) id: e95240eb5e (このIDを非表示/違反報告)
りお(プロフ) - ○○さん» ありがとうございます！そう言っていただけて本当に嬉しいです！！今のお話も終わりに近づいてきましたが、もう少しお付き合いいただけると幸いです(^^) (2021年2月16日 22時) (レス) id: ff25befd3c (このIDを非表示/違反報告)
りお(プロフ) - ネコさん» ありがとうございます(^^)。物語も終わりに近づいてきました。もう少しだけお付き合いくださいね(^^) (2021年2月16日 21時) (レス) id: ff25befd3c (このIDを非表示/違反報告)
○○(プロフ) - こんにちは(^^) 今回のお話は切なくて泣けちゃいます。りおさんのお話は飽きないんですよねぇ。。どの作品にもラブ甘が満載で嬉しい！忙しい中更新ありがとうございます。続きも楽しみにしています(^^) (2021年2月16日 9時) (レス) id: e95240eb5e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りお | 作成日時：2020年11月11日 4時
