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▽side
来なくていい……？
幸せになって……？
どうしてそんなこと言うんだよ。
手離せるわけないだろ？
お前なしで幸せになれるわけないだろ。
だってお前は俺の1番大切な……。
「…っ！おい、なにやってんだよ！」
なにを思ったのか、ゆうやはザブザブと
海に入っていく。
すぐに追いかけて陸に戻そうとするけれど
氷のように冷たい海と抵抗するゆうやに
阻まれて思うようにいかない。
このままじゃ2人とも溺れてしまう。
「……ゆう、やっ」
「やだ！はなして！おれなんか……！！」
「ゆうや！！」
やっと思いで海の中から引き摺り出したけれど、
暴れた時に水を飲んでしまったのか
ぐったりしている。
辛うじて呼吸は保たれているものの
頬をたたいても反応が薄い。
「とりあえず……身体、温めないと」
「…さむ、い……」
当たり前だ！と怒鳴りたかったけれど、
顔色は悪いし唇も真っ青。
とりあえず怒るのは後だ……。
ゆうやを抱き抱えて急いで家に戻り、
服を脱がせる。
ありったけの毛布で身体を包んで
熱めの温度でお風呂を入れるけれど
バスタブのお湯はしばらく溜まりそうにない。
「んん……」
「気がついた？」
「さむい……」
部屋も暖かくして毛布に包まっているのに
ガタガタと震えているゆうやをベッドに運び、
一緒に潜り込む。
「もっとくっつきな」
「ん……」
おずおずと身体をくっついてくるゆうやに
腕を回して肌と肌を密着させる。
ベタなやり方だけど、これが一番手っ取り早い。
冷えきっている身体を抱きしめる。
「俺の体温、全部あげる」
「………な、」
「体温だけじゃない。俺ごとあげる」
「…………っ」
「でも、お前が本当に嫌なら、もう来ない」
「ちが……、いやなんかじゃな……」
「……なら、二度とあんなこと言うな」
「ごめ……」
腕の中でゆうやは静かに泣いていた。
こいつにとっての幸せってなんだろう。
身体はすぐに温まっていくけれど
凍った心はなかなか溶けてはくれない。
もう一度、太陽のような笑顔を見たい。
それは俺のエゴなのか。
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りお(プロフ) - いくっちさん» いくっち様、ありがとうございます！私も、手越さんには幸せになってほしいです。苦悩の末にヒカリが差し込むといいなぁ……と。更新頑張ります(^^)！ (2019年12月5日 5時) (
レス) id: fe4ea4d68c (このIDを非表示/違反報告)
いくっち(プロフ) - こんなお話し好きです！手越くんが儚くて好きです！幸せになってと願いながら読ませてもらってます！更新楽しみにしてます(^^) (2019年12月4日 20時) (レス) id: a434130a02 (このIDを非表示/違反報告)
りお(プロフ) - nicoさん» nico様、コメントありがとうございます！手越さんの儚い雰囲気がちゃんと出せているか不安でしたが、そう言っていただけて嬉しいです(^^)。更新頑張ります！ (2019年12月2日 4時) (レス) id: fe4ea4d68c (このIDを非表示/違反報告)
nico(プロフ) - このお話とても好きです！手越くんが儚くて可愛くて愛しい……(T-T)更新楽しみにしてます。 (2019年12月1日 21時) (レス) id: 05c997570a (このIDを非表示/違反報告)
りお(プロフ) - ○○さん» ◯◯様、こんばんは！いつも読んでいただいて本当にありがとうございます！楽しんでもらえるように頑張ります(^^)！！ (2019年11月24日 19時) (レス) id: fe4ea4d68c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りお | 作成日時：2019年11月24日 18時
