恋じゃなくなる日

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♡side



「……寝てもいいよ」

「ん……、だいじょうぶ…」



眠れるわけがない。
きっと行き先はタカのマンションだ。
タカは何も言わず、ただハンドルを握っている。



「……なんか、あったの…？」

「ん？……あぁ。でも大丈夫」



タカの左手が伸びてきて俺の手を握る。
手の温もりが心地いい。
でも……。



「ちゃんと……おしえて？」

「……」

「タカ」

「……週刊誌に載るんだ」

「え……」

「家を突き止められた。お前の写真も載る」

「………っ」

「しばらく戻れないと思う。だから、俺のとこにいて？」

「………なんで…っ」

「…ゆうや？」




なんで？
なんで、ほっといてくれないんだろう。
もういいでしょ？
おれ、何もしてないよ？
こわい。
どうして追いかけてくるの？
どうしたら逃げられるの？
ただ静かに暮らしたいだけなのに……。



「……ごめんな」

「タカはわるくないじゃん…」



そう。
タカは何も悪くない。
でも怖くて不安で。
どうしたらいいか分からなくて……
勝手に涙が溢れ出す。
ダメだ、今は。
またタカに心配かけちゃう……。



「ゆうや」

「…っ、ごめんなさい……」

「泣かなくていい。絶対、守ってやるから」



手を握り締めていた力が一段と強まる。
そっか。
そうだね。
タカに委ねたらいいんだ。
俺の身体も気持ちも何もかも。





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