【鬼滅の刃】風使いと鬼殺隊【文スト】

参ノ型 ページ5

Aside


『･･････もう良いかねぇ。』


私がそう呟くと、風がどんどん弱まっていく。
元の景色に戻りつつある星空を横目に、私は羽根を一つ、髪から取った。


ｺﾞｯ


一瞬、また突風が吹き、直ぐに収まる。
私は空から眼下の景色を見た。


『随分奥地の山だったんだねぇ。』


視界を埋め尽くすのは黒色だけだった。
さっきの化け物と言い、この夜の深さ･･･。此処はヨコハマじゃねぇ。それどころか私が居た世界かどうかさえも怪しい。よくある話だ、異能力で出来た世界っつーのは。
遠くに微かな光が見える。
･･････向こうに人里がありそうだねぇ。移動するかい。
動き出そうとした時、ふと思い出した。


『そう言えば、太宰何処だい？』


そう、確か太宰もあの異能力者に飛ばされた筈だ。
あ、でも彼奴の異能力無効化するか。
･･･もしこっちに居ても、彼奴なら死なないだろう。


ﾋｭｳｯ


『･･･この辺りの風は不思議だねぇ。』


今まで見た事も感じた事もない独特な流れをしてる。
この世界にも、異能は存在するのかねぇ。


先刻まで私が居た所の鬼は、灰となって消えていた。

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