恋と愛と依存【轟焦凍】 (ページ8)

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『お仕事中ですか？』

料理ができたので運んで行くと何やらPCと睨めっこしているショートさん。

「あぁ、そのはずだったんだが…」

『ちょっとお借りしてもいいですか？』

ポチポチポチポチ、とこれでいいかな。

『多分、これで大丈夫だとは思うんですけど』

「随分と詳しいんだな。見たことのない画面だった。」

『私、高校情報科に通ってたので…』

「そういえば、高校はどうしたんだ？」

『特に退学届とかを出したわけでもないですけど行く理由ももうないので…』

「そうか。高校には言っておいたほうがいいとは思うが、行く気はねぇのか？」

『…料理冷めちゃったかもしれないので、温め直してきますね』

もともと高校に通っていたのは家にいたくなかったから。
今の私にはもう行く必要もない。

それよりも、今はアルバイトをして一人暮らしの準備をするほうが先だろう。

料理を温め直すと、もう一度ショートさんの元に運ぶ。

『遅くなっちゃってごめんなさい。簡単なものしか作れませんでしたが…』

と料理を机に置く。
PCを棚に置きなおしその間に手を洗いに行くショートさん。

えっと、箸は…と探していると後ろから手が伸びてくる。

「ここだ。」

よく考えていることがわかったなあと思いながら
コップにお茶を入れ運ぶ。

正面に向かって座るとそれを確認したショートさんが
いただきます。と手を合わせ箸を持つ。

人とご飯を食べるのなんていつぶりだろう。
そう考えていると食べないのか？と首を傾げるショートさん。

『た、食べます。』

「うまい」

料理を食べ終わると、キッチンの方にお皿を持って行く。

「じゃあ、また仕事に行ってくる。」

『はい、いってらっしゃい。』

玄関まで見送ると、頭にポンと手を置かれ
少しびっくりする。

…あれ、人を見送るのに寂しいと感じた自分がいた。

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