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(2023年)
(JS side)
ジュンに会う約束があって、久しぶりにこの宿舎に来た。別に急ぎの用事ではなかったからカトクでも、電話でも、次に会うスケジュールの時に話しても良かったんだけど、ジュンが「それなら僕の宿舎で話そうよ」と言ってくれたから。
JS「ジュナ、ありがとう。じゃあ、そのスケジュールでよろしく」
JN「うん！ヒョンもお疲れ様。おやすみなさい」
JS「おやすみ」
ジュンの部屋を後にして、リビングに向かうとベランダに小さな灯りが灯っている。誰だろう。覗いてみれば、ベランダに立って、外を眺めるキーが立っていた。
窓を軽くノックして、「キーヤ」と声を掛ければ肩を少しすくめた後、振り返って「オッパ！」とキーは小さく微笑む。
JS「マネージャーヒョンにもクプスにも怒られちゃうよ」
『うん、そうだよね』
キーは眉を下げて困ったように微笑む。一応僕らはアイドルだから。ベランダに出るにしても、カメラだったり、サセンの存在だったり、気を付けるよう耳にタコができるぐらい何度も言われていて、それを誰よりも分かっているはずのキーが破ってまでここに居る理由。それは何なのだろう。
JS「寒くないの？」
近くのソファーに置いてあったブランケットを手に取ってベランダに出る。キーの肩にそれを掛ければ、『ありがとう』と呟いて『これもあるからそんなに寒くないんだよ』と持っていたホットココアを指す。
JS「そういえば、前にも僕たちこうしてベランダで話してたことあるよね」
『うん！そうだね。あの時は、デビューした年だっけ？韓国に来て1年、とかだったっけ？』
JS「そうだったかも。1年記念のお祝いをしようって言って、僕すっぽかした気がする…」
『アハハ！じゃあ、今からお祝いしてもらおうかな』
冗談めかしてそんなことを言っているのに、いつものように元気に見えないのは僕の思い過ごしなのか。10年近く一緒にいる僕たちは(キーとは2014年から一緒だから実際には9年だけど)、小さいことでも、もっと言えば気づいて欲しくないことも気付くような関係になっていた。
JS「キーヤ、何かあった？」
『うーん…、……そうだねぇ。あったと言えばあったんだけど、大したことじゃないの』
JS「話なら、聞くよ？内容によってはアドバイスできるか、とか分からないけど」
『オッパ、凄いね。今日会ったメンバーは誰も気づかなかったのに』
JS「キーのオッパだもん」
『さすがです』
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作者名：柚紀
| 作成日時：2022年12月26日 11時
