12 ページ12
.
店長と従業員ではなく、女友達の様にあれこれ話して飲んで。
楽しい時間はあっという間で、閉店時間。
帰らなきゃ。
「大丈夫ー？ ちゃんと帰れるー？」
タクシーに乗り込んだ店長が、窓から顔を出す。
「私なら平気です！ 店長こそ大丈夫ですか？ ちゃんと帰れますか？ 家の場所分かりますか？」
「大丈夫大丈夫！ 気を付けてね！ 私先に帰るから、何かあったら私に電話するのよ！」
「分かりました！ 了解です！ 運転手さん店長をお願いしますね〜」
近いから歩いて帰れると思ったのに。
私もタクシーに乗ればよかったかもしれない。
一人でもお酒が飲みたくて、気付いたら帰り道じゃなくまだ開いてる居酒屋やバーを探し歩いてる。
「お、開いてる！」
見つけたのはいい感じの雰囲気のバーだった。
.
「マスター、強めのお酒ください」
もはや記憶にない。
「あんなに大好きだったのに……」
自然と涙が出てくる。
「はぁー……」
止まらない深いため息と涙。
「……あの、これ。 良かったら」
「ハンカチ？」
一人でベロベロに酔っ払いながら涙を流して、何度もため息ついて。
そんな変な女にハンカチくれる優しい人も居るんだな。
半ば感心しながらハンカチを受け取り、持ち主へと振り向くと
「大丈夫？」
彼が居た。
「……ジェソク？ あんた何でまたこんなとこにいんのよ！」
「え、いや俺……」
「さっさと、帰りなさいよ、あんたのせいで！ あんたが浮気するのが原因なんだから……」
「……浮気？」
「そうよ、今更とぼけないでよ！ ハウォンだかハリだか知らないけど、私の他に二人も付き合って、私に悪いと思わないの？」
「二人も？ 三股してたの？」
「四人でしょ？ あんたが言おうとしないから私も言わなかったけど、ミナって女とも繋がってんの知ってるんだからね」
「四人も？ 浮気してたの？」
「明日の旅行も私がどれだけ楽しみにしてたか分かってるの？ 私達付き合って三年目になるのに、私の何が嫌で浮気したの？」
「うわぁ、同じ男として許せないな……」
「やージェソク！ ずっととぼけてるけどちゃんと聞いてるの？」
彼に対する言葉は止まる事を知らず、次から次へと溢れ出てくる。
「あぁ、クォンさん俺」
自然と、彼の顔を包むように手が伸びてた。
「大好きだよ、ジェソク」
.
ラッキーカラー
あずきいろ
おみくじ
おみくじ結果は「末凶」でした！
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1613人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
tyai - 本当にいつも素敵なお話をありがとうございました！ずっとだいすきです💓 (2023年4月2日 14時) (
レス) id: 4eebb26101 (このIDを非表示/違反報告)
ももこ(プロフ) - 完結おめでとうございます！とにかく大好きで何回も読み直してます… すんちsideの話はもちろんですが、じすはんに冷やかされて嫉妬して拗ねる話がみたいです笑 (2023年3月30日 14時) (レス) id: 7eba4932cc (このIDを非表示/違反報告)
yuikuma965(プロフ) - すごくキュンキュンしました！私もこんなふうに追いかけられたい…笑短編集、嫉妬とかみてみたいです(´∀｀) (2023年3月30日 2時) (レス) @page46 id: 1a04ea6328 (このIDを非表示/違反報告)
くす(プロフ) - お疲れ様でした(>_<)続編も楽しみすぎて、夜も寝られません、、、ご無理のない程度に更新楽しみにしてます！！！！ (2023年3月30日 0時) (レス) @page46 id: 1558d9da93 (このIDを非表示/違反報告)
diva05(プロフ) - このお話すごい好きです！恋人になった後の2人の関係性や、そうなってからの夜のお話も見てみたいです。 (2023年3月29日 19時) (レス) @page46 id: d2c25335f0 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：MIE | 作成日時：2023年3月13日 1時
