Ep.22「愛すより、愛されたい」黒×赤 ページ47
ノンリアル
・
side黒
「ほくちゃん、キスして？」
「うん･･･ﾁｭ」
「ふぁ･･･ハグも」
「ん」
ジェシーと出会って、かれこれ20年弱。
小学校低学年頃、俺が児童養護施設に入ったのとほぼ同時期にやってきた彼。
18歳まで施設で同い年だけど兄弟のように育てられた俺たちは、施設を出てすっかり社会人になって数年が経った今も同じ屋根の下で暮らしている。
ジェシーは、甘えたいとき、俺を「ほくちゃん」と呼ぶ。
そして俺は、ジェシーに甘えられれば必ず応えるのだ。
ジェシーは元々人懐っこくて甘えたがりな性格だけど、ある日突然理由なく親から全く愛情が返ってこなくなった。
反対に、俺は人見知りで甘え方もわからなければ、親からも愛されなかった。
自分から愛情を振り撒くことで愛されたいジェシーと、他人から愛情を受け取ることで愛されたい俺。
今一緒にいるのは、依存、それも、共依存なのかもしれない。
ある日の昼休み。
会社で唯一の友人で同期の大我にランチに誘われた。
今は部署も離れて暫く話していなかったから突然のことに驚きつつも、特に断る理由もないから彼の後ろをついて行った。
トマトパスタを嬉しそうに食べる彼が、飲み込み終わらないうちに話し始める。
「北斗」
「なに」
「まだジェシーと住んでるんだよね」
「そうだけど」
「ジェシーのことどう思ってんの。恋人とかじゃないんでしょ？」
「うーん、たぶん。ジェシーのことは好きだけど、それが友だちとしてなのか恋愛感情なのか、自分でもよくわかんない」
大我は、俺とジェシーのことを知っている唯一の人物でもある。
うちに何度か来たこともあって、ジェシーとも顔見知りだった。
ジェシーのことが好き。これは確かなんだけど。
キスもハグも、そういうこともしたことはあるけど。
付き合ってと言ったことも言われたこともないし、恋人ではないと俺は思っている。
でもだからと言ってセ○レというのも違う。
俺たちの関係に名前を付けるとしたら何だろう。
やはり"共依存関係"になるのだろうか。
「そっか。でもさ、俺は心配なわけ」
「心配？」
「だって、もし何かあってその均衡が崩れたら、きっと北斗もジェシーも壊れるよ」
「何かって、何だよ」
「んー、それはわかんないけど。とにかく、俺はそうなってほしくないの」
「ご心配どうも。でも大丈夫だから」
大我が最後の一口を食べ終わる。俺もその後は無言でパスタを口に運んだ。
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彩佑実(プロフ) - (かな名前)さん» コメントありがとうございます。パスワードを解読後、スクロールして頂きますと、下の方に◎と○の付いた文章がありそちらが条件となります。ご理解、ご協力頂いた後フォロリクを送って頂ければ幸いです。よろしくお願い致します。 (2022年6月10日 19時) (
レス) id: ca4215401f (このIDを非表示/違反報告)
(かな名前)(プロフ) - コメント失礼します。Twitterの必読を見たのですが条件ってどこに書いてありますか？ (2022年6月10日 19時) (レス) @page49 id: 937383c613 (このIDを非表示/違反報告)
彩佑実(プロフ) - けーた。さん» けーた。さん、初めまして。コメントまで下さりありがとうございます。私も末ズのときの緑くんが好きなので早い段階で書こうと決めていました。楽しんで頂けてとても嬉しいです。不定期となりますが、これからも何卒よろしくお願いします:) (2021年11月30日 22時) (レス) id: 22c3e91f96 (このIDを非表示/違反報告)
けーた。(プロフ) - 初めましてで失礼します。緑くんが絡むお話が好きでお邪魔しました。実は他に推しCPがあるのですが赤くんとの時は右側の緑くんすごく好きでして。お話、とても楽しませて頂きました。これからも素敵なお話楽しみにしています✻ (2021年11月30日 21時) (レス) @page8 id: 857c9b8bce (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：彩佑実 | 作成日時：2021年11月27日 23時
