検索『かにう”ぁりずむ』検索結果『横浜の喫茶処＊２店舗目』【文スト】×【東京喰種】

story76─論理的思考 ページ49

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「その……高が町医者の言葉を信じて貰えるならば、だが」



先程の気迫は何処へやら、急になよなよしだした森さんに、少し呆れる。



「彼女の言葉を信じるなら、そのドアから逃げれば君は記憶を失う。敵の手管も捕らえられた仲間の危機も忘れ、敵は進撃を続ける」



1度言葉を切り、森さんは敦君に絡みついていたリボンを手に取る。……これに何の意味が。



「良い事を教えよう。戦戯(ゲエム)理論研究では、危害を加えて来た敵には、徹底反撃を行うのが論理最適解とされている。二度と反逆されぬよう、此所で徹底的に叩くのだ」

「いやねぇ、人間の言葉は難しくって嫌いです。さっさと要件を話しては？」

「酷いよぅ弓月さん、少年に私は話しているのだし……」



敦君はそんな私達の様子を見て苦笑いだ。だが、まだその目には諦めの色が見えていた。



「……でも、方法が」

「絶対に敗けないと高を括る人間程、容易い相手はいませんよ。抑も───先程聞いた話では、あの室にいる探偵社の皆さんは、貴方が囚われた時必死に助けたそうじゃないですか？」



森さんの話を要約して、私がそう云うと、敦君はその時の情景を思い出したのだろう。
意を決した目をし、森さんの手にうちにあるリボンを掴んで向かいにいった。



「お話は終わり？やる気は戻ったかしら。そうでなくちゃ面白くないわ。……でも、終わりよ」



少女がそう云った途端、床の下からアンが現れた。敦君はこれを、虎の跳躍を使って飛び上がる。……が、天井にもアンは待ち構えていた。



「もう一体！？」

「そちらは二人なのだから当然でしょ？」

「しまっ……」



敦君は天井のアンに捕えられた。
幽閉されている扉から、谷崎君の時のように無数の手が敦君に伸びてくる。

敦君は、少女の涼しい顔の横を通過し、扉の中へ引き込まれた。



「はい、おしまーい☆……もう1人、貴方も捕えろとフィッツジェラルドさんから言われているのだけど……、貴方は別に捕えなくても良い対象なのよねぇ。今回は虎の彼を説得してくださったから見逃しても良くってよ？おじさまもそうだわ。喰種の彼女とは違って、どうせ捕まえる指示のないこきたい中年1人見逃したって、フィッツジェラルドさんは怒ったりしないもの。それとも────」



少女は1度言葉を切り、怪しげに笑った。



「貴方とおじさまがアンに捕まった時の、絶望した顔を見てみようかしら」



後ろからアンの手が迫っていた。








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