story70─繰り返す ページ43
.
厭な予感が頭を過り、背中に冷や汗が伝う。厭な予感、それはトーカちゃんが鳩に捕まった可能性。……それか、異能力者に捕まった可能性。
「トーカちゃん!トーカちゃん!」
傍から見れば可笑しい人のようなもの。だけど、私の評判以上にトーカちゃんが心配だ。
「!Aさん!」
「敦君!谷崎君にナオミも、トーカちゃん、……あ、ボブで水色の髪の女の子を見てない?」
名前を呼ばれた方を見ると、敦君がそこに居た。慌てた様子の私を見て気になったようだ。後ろには、谷崎君とナオミもいた。
敦君達にトーカちゃんについて聞いてみるも、首を横に振るだけだった。
「……そう」
「すみません、お力になれなくて……」
「いえ、いいんですよ?気になさらないでください」
「ナオミ、一緒に探しますわ!」
後ろから元気のあるナオミの声が聞こえた。どうやら、3人がここにいるのは
「ナオミ、矢ッ張り社に戻るンだ」
谷崎君は何時もと違う警戒の声をナオミに向ける。それだけ、
それでもナオミちゃんは”兄様と離れたくない”と云い続ける。
それでも言い合いを続ける2人。ナオミがついに爆弾を投下した。
「何よ兄様、ナオミの云う事は何でも聞くと云ったじゃない」
「き、昨日の夜のアレはお前が無理矢理……!……何でもありません」
勝ったのはナオミ。信号が青になると、谷崎君はずかずかと歩き出す。
「と……兎に角!事務員は社に戻るンだ!」
「あらあら、何なら昨日の懇願を思い出させてあ───」
あぁ、まただ。
ナオミの声がパタリと途絶える。後ろには誰もいなかった。
「……ナオミ?」
「……真逆」
「ナオミッ!?」
谷崎君と敦君がそう呟くと、谷崎君はナオミちゃんを探しに走り出した。
私もそれに続いて走り出す。
「……探さなきゃ。トーカちゃんも、ナオミちゃんも」
「Aさん、奴等の攻撃だ!莫迦な、何の気配も無かッたぞ!」
「敵が直ぐ近くに居るんだ……!谷崎さん、Aさん、危険です!」
私はその敦君の言葉を最後に、二手に分かれるように別の方向へ走った。
.
121人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
うりゅき(プロフ) - 明けましておめでとうございます!モンゴメリちゃんも色々抱えてますからねぇ。いつかは弓月ちゃんとモンゴメリちゃんを絡ませたいです笑 森さんの殺気、どういう反応にするか迷ってるんですよねぇ。今年も私共々この作品をよろしくお願いします! (2019年1月1日 11時) (レス) id: dc3c37d785 (このIDを非表示/違反報告)
黒い天使 - あと、少し遅れましたが明けましておめでとうございます!今年も宜しくお願いします! (2019年1月1日 0時) (レス) id: 79595964d2 (このIDを非表示/違反報告)
黒い天使 - 更新お疲れ様です!森さんとの絡みですね〜!敦君は流石です!ルーシーちゃんは、喰種ごときって...泣く... 森さんの殺気どう反応(?)するのか、気になります!次回の更新楽しみにしてます! (2019年1月1日 0時) (レス) id: 79595964d2 (このIDを非表示/違反報告)
うりゅき(プロフ) - 黒い天使さん» コメントありがとうございます!異能力者VS喰種ですね!私も書きたい衝動に駆られうずうずしてます(笑) (2018年12月28日 18時) (レス) id: dc3c37d785 (このIDを非表示/違反報告)
黒い天使 - 真逆、原作の交差点だとは!トーカちゃんなら羽赫使って自力で脱出しようとするだろうなぁ…って思います(笑)森さんと、どう関わるのか気になります!更新お疲れ様です!次回も待ってます! (2018年12月27日 23時) (レス) id: 79595964d2 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:りうゅき x他1人 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/sHihamu131/
作成日時:2018年9月30日 20時