【男性声優】さ い だ ー が ー る ! ! ９【愛され】

▽2 ページ20

早速スタッフからカメラを貰って、別室のスタジオで撮影を始める。

いざカメラを持つと、｢一眼か。｣｢A経験者でしょ。｣｢あはい。一応。｣等と緊張してしまう。

大体の案は固まっているし、モデルの浅沼も準備バッチリだ。


一眼を持っているAは、慎重にストロボを調整したり数枚試し取りして光源を確かめる。

ある程度レンズになれてきたところで、｢…っよし、浅沼先輩いいですよ。最初は先輩が思うように撮りますから。｣と浅沼に言った。

まぁこの辺りで察するだろう。

鈴木と梅原は、完全にアシスタントに回る立場だということに。



鈴｢俺らアイデア係やるわ。｣

梅｢カメラマンは任せた。｣

｢…色々飲み込みました！了解です！｣

浅｢俺らしくかー…こんなんとか？｣

｢んっ、あっ、えっ素敵オブ素敵…抱いて……。｣

梅｢喘ぐな。｣

浅｢…｣

｢ひぇえっ…人殺せる…これ人殺せますよ……主に私……。｣

鈴｢浅沼さんもう少し手伸ばした方が綺麗っすね。｣

梅｢っあちょっと待って青空、襟開いた方がいいかも。｣

｢優秀。｣



シャッター音と、二人の歩く音だけがスタジオに響く。

自然とAの顔も、神妙なものに変わっていった。
ピシッとした真面目な空気が流れる。

撮られている浅沼としては、緊張するような、いつもの仕事のような。


ただ一つ。
絶対に言える事。

それは、真剣な眼差しでなにかに夢中になっている人は、本当に綺麗だということ。

モデルは自分なのに、こっちが見惚れてしまう。

それが好きな人というのなら尚更だけども。









｢(…正直、二人には見せたくない表情。)｣





とは言え嫉妬は沸くもので。


.

▽3→←▽ご参考に。

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す