【男性声優】さ い だ ー が ー る ! ! ９【愛され】

Happy Birthday . (3/4) ページ13

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はぁ…っと白い息を吐く。


誕生日の前日はOLDCODEXのLIVE日だった。
スタッフさん達と飲んで帰ってきたから、気持ちはポカポカだ。

時刻は23:40。

ちょっと飲みすぎたけど、この後はもう家に帰るだけだし明日の仕事もお昼からなのでいいだろう。


エレベーターで自分の部屋の階まで上りながら、鞄の中から家の鍵を探す。


そこでふと、Aは自分の誕生日を覚えているのだろうかという疑問が突然浮かんだ。

｢…あれ……？｣と自分でも思い返してみる。

彼女、青空と最近会っただろうか。

たとえサプライズだとしても、あまりにも音沙汰が無さすぎないか。


…そもそも、Aは自分の誕生日を覚えていてくれたのだろうか。


途端に嫌な空気が流れる。

有り得る。

あのAだ。
うっかり忘れてましたという事が有り得てしまう(事実)。

かと言って今から｢今日俺の誕生日だから｣なんて言うのはあまりにも恥ずかしい。


やらかした。

こんな風になるんだったら、前々に｢お前俺の誕生日なんかしろよー｣と茶化しておけばよかった。

そうすれば、Aの事だからすぐさまスケジュールに書き込むだろう。


はぁ…と思わず溜息をつく。

エレベーターから重い足取りで降り、寂しげに歩く。


なんだか一気に悲しくなってしまった。
酔い覚めだ。

一人で飲み直そうか。


そう思ったその時。

｢…っあたっつん先輩…遅いですよー…。｣と、聞き慣れた声が耳に入る。









鈴｢…っA………。｣


｢？な、なんでそんな顔するんですか…。｣


鈴｢……いや、なんでもねぇよ。｣


｢？まとにかく。私ここで１時間は待ってたんですからね？感謝して下さい。｣








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