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あれから二杯…とおまけの一杯を飲んだ後、ようやく二人だけの飲み会は閉幕した。
あの後もほわんほわんと脳裏に浮かぶ鈴木の純粋で飾らないあの言葉のせいで、Aの顔はずっと真っ赤だったが。
ごく稀に、普段ヘタレな人からああいう事を言われると結構クるものがあるのだ。
当の本人鈴木は、よく分からないけどいっぱい食わせられたことは確信したらしい。
レジで会計を済ませて外に出てからも、「…な、照れた?」とさっきからしつこくAに聞く。
最初こそ照れたが、もう今はうざったらしいだけである。
「照れました、照れましたから。」
鈴「んだよ全然照れてねーじゃん。」
「それだけ言われれば照れませんよもう。ていうかしつこくてもうカッコよくない。」
鈴「なっ…」
「……何ですか、事実ですけど。」
鈴「…ちょっと傷ついた。」
「自業自得です。」
鈴「…」
「…」
鈴「……。」
「………そんなうるうるした目で見ないで下さい…。」
そんな目で見られたら、冷たくあしらいたいのに構ってあげたくなる。
だがここでなにかすれば、またいつもと同じだ。
今日の今日こそは、”私も厳しい大人だぞ”という所を見せつけたい。
Aはグッと声を飲み込んで、そっぽを向いた。
見るからにしゅんっ…とした鈴木。
すると、ぼそっと鈴木が
「…もう俺、Aのこと嫌い……。」
と呟く。
ピクっと肩が揺れる。
眉毛がクイッと上がる。
明らかに、Aに反応が見えた。
それは、Aが思って欲しいAの所じゃない。
それは、”好き嫌い”に囚われたAが一番言われたくない言葉だ。
珍しくプチッと頭に血が上る。
力任せに振り向くと、後ろにいる少し背の高い鈴木の頬を力いっぱい挟んで、グイッと顔を寄せた。
「…誰が…何ですって?」
鈴「っ……おま、…。」
「わたしのこと、嫌いなんですか。」
鈴「…いやあのっ、」
「キ ラ イ 、なんですか。」
鈴「………好き、です…。」
「…まぁそれならいいです。」
あれもこれも、
全部
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▼うらばなし、その二。(飛ばしてもらって構いません)→←▽3
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み ゅ ー ぽ む 。(プロフ) - たそ。さん» ウッヘありがとうございます…() 是非是非、仲良くして下さい! (2019年10月13日 13時) (レス) id: 60c355a2ab (このIDを非表示/違反報告)
み ゅ ー ぽ む 。(プロフ) - 太陽と月さん» ありがとうございます!頑張ります〜!! (2019年10月13日 13時) (レス) id: 60c355a2ab (このIDを非表示/違反報告)
たそ。(プロフ) - み ゅ ー ぽ む 。さん» みゅーぽむ様の感性ど自分の感性がばっちり合いすぎてもうしんどいです、、←仲良くなりたいです、、 (2019年10月5日 13時) (レス) id: 1c4af94c04 (このIDを非表示/違反報告)
太陽と月(プロフ) - み ゅ ー ぽ む 。さん» 番外編!いいですね!!たのしみです! (2019年10月5日 12時) (レス) id: 5e98f23515 (このIDを非表示/違反報告)
み ゅ ー ぽ む 。(プロフ) - 太陽と月さん» 誰になるんでしょうか!!(笑) 細谷さんですね!結構出したいのに1話書くのは難しいみたいなキャラ多いので、番外編みたいなので書けたら書いてみます〜!! (2019年10月5日 12時) (レス) id: 60c355a2ab (このIDを非表示/違反報告)
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