【男性声優】さ い だ ー が ー る ! ! ６【愛され】

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自分たちの太もも位しかないちびっこ。

お母さんは、恐らくみんな図書館内のカフェか何かでママ友会議中だろう。

物静かにきちんと絵本を読んでいる子もいるが、割合的には走り回っている子の方が多い。

正直、さっきの静かな図書館とは思えない。

思わず、引きつった苦笑いになってしまう。


｢…まぁ、とにかく面白そうなの探すか……。｣と言われて、｢です…｣と呟いた。

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鈴木は、｢俺あっちから見てくわ。｣と言ってすぐそこで別れた。

多分、真ん中あたりで合流するはずだ。


棚を順番に見て行って、面白そうな題名があったらその本を取り出す。

谷山の話の時にも言ったかもしれないが、Aは本があればなんでも読む。

それは絵本も例外ではない。

綺麗な絵だったり、
面白そうな表紙だったり。

色んなものが、Aの心をノックする。


鼻歌交じりに棚から絵本を取り出していると、ふとフリースペースに1人で黙って本を読んでいる女の子が目に入った。

ちょっと鍵っ子っぽい、寂しそうな女の子。

Aの悪い癖だ。

一度目にしてしまっては、見て見ぬふりはできない。


気づけば、Aはその女の子に話しかけていた。



｢…ねぇねぇ、ひとりなの？｣

A｢え？だ…だれ……。｣

｢通りすがりのおねーさん。もしひとりなら、私の読み聞かせ聞かない？｣

A｢よみきかせ…？｣

｢そう、読み聞かせ。もし聞いてくれるなら、心を込めて読ませて頂きますよ。｣

A｢ほんと…？｣

｢うん。おねーさんもひとりでさみしかったんだ。｣

A｢…じゃっ、じゃあ！これよんで？｣

｢どれ…わぁっ、綺麗な絵本だね……。｣

A｢うんっ…！ぎんがてつどうのよる、っていうの。｣



青い宇宙に、散らばった星々。

黒い汽車が今にもこちらに向かって走ってきそうな。

まるで飲み込まれてしまいそうな世界観。


それを、プロの声優としてどこまで声で表現できるか。

いい練習にもなりそうだ。









｢…それじゃ……。

銀河鉄道の夜、宮沢賢治。｣





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