57 二週間 ページ14
うーん、変な時間に起きたな。
それに、あんな事が起きてしまってまだ心臓がバクバクなのに、そう簡単に寝付ける訳がない。
もし足枷がはめられていなかったら、カラ松兄さんなんて投げ飛ばして今すぐにでも逃げたのに。
逃げても、ちゃんと家に帰れるか分からないけど。
夏の真夜中は蒸し暑い。
私はカラ松兄さんに抱きしめられたまま、できる限り空きスペースを作る。
そしてTシャツをパタパタさせて涼しさを取り入れようとするが、生温い空気が入ってくるだけで全く涼しくはならなかった。
「はぁ……」
色々なことに対して溜息を吐いて、心を落ち着かせる。
落ち着いた私はもう一度目を閉じて、それから暫くしてからまた眠りに着いた。
――――
朝眠りから覚めた私は、一日、昨日と同じように過ごした。
昨日と比べると、カラ松兄さんが少し挙動不審だったけど、そこは敢えて触れないで置いた。
それから何日も何日も時間が過ぎて、気が付けばもう二週間くらいここに居る。
そこで、おそ松兄さん達はもう私を探していないんじゃないかと憂鬱な気分に襲われる。
だけど私の体は、もうこの生活に順応しつつあった。
朝早くからカラ松兄さんは仕事に出かける。
何故か、私の頬にキスをして玄関を出ていく。
昼間はカラ松兄さんの作ってくれたお弁当を食べて、私一人で過ごした。
そして夜は疲れた様子のカラ松兄さんが帰ってきて、私に癒し?を求め抱き締める。
その度、私は言い表せない矛盾を抱えて、めちゃくちゃに心を掻き乱されるんだ。
そんな悪循環な毎日が続いた。
今やカラ松兄さんと二人暮ししていることも、足を鎖で繋がれていることも、首にまとわりつくこの首輪も、全てが通常の認識になってしまっている自分が、受け入れられない。
そんな複雑な思いが重なって
「私、ここから出れないのかな」
なんて、箱入り娘みたいなことを呟いていた今日この頃。
外に出ない体は、少し重くて。
だから、窓から入ってくる外の空気だけが、私の命綱の様なものだった。
夜眠る時は、カラ松兄さんが私を抱きしめてくれる。
そして私は今日も、カラ松兄さんの腕の中で眠りに着いた。
少し前は酷く拒んでいたその胸板も、今では、何故か少し心地よく感じてしまった。
――――
洗脳済み·····だと?!
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ぽさ(プロフ) - チョロ松推しさん» Sなカラ松最高ですよね!!ありがとうございます!時間をかけてでも頑張って完結させようと思うので、その時までよろしくお願いします。! (2019年8月6日 13時) (レス) id: 3dce913a48 (このIDを非表示/違反報告)
チョロ松推し - Sなカラ松最高すぎ!もう死んでもいいわ(白目)続き頑張ってくださいね! (2019年8月3日 19時) (レス) id: b11d3bd2ff (このIDを非表示/違反報告)
ぽさ(プロフ) - 夜空さん» ありがとうございます^^*完結できるよう頑張りますね! (2019年7月24日 16時) (レス) id: 3dce913a48 (このIDを非表示/違反報告)
夜空(プロフ) - 頑張ってください続き楽しみに待ってます (2019年7月22日 22時) (レス) id: 2ba1387257 (このIDを非表示/違反報告)
カラ松girl(プロフ) - ぽささん» 楽しみにしてます!! (2019年6月10日 6時) (レス) id: b9685a6c85 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぽさ | 作成日時:2019年5月27日 16時