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「あの…信じてもらえないかもですが…僕、最低な事しちゃいました…」



先輩は目をぱちくりとさせながら改まっている僕を珍しそうに見る。ソファに座りながら、お互い向き合い僕は手に握り拳をつくる。緊張で手汗が凄い。


先輩、怒るかな…嫌いになっちゃうかな。それとも…泣いたり、する?


そんな事考えると言いたいものも言えなくなる。口を閉じたり開いたりしていると先輩が心配そうに声を掛けた。



『………まふ君?大丈夫?』


「あっ…はい…多分」



先輩、かなり心配してくれてるみたい。

よし、覚悟を決めるんだ。大丈夫大丈夫大丈夫大丈夫…。



「あのっ、先輩!!」


『はいっ!』



そして、事情を説明した。お医者さんから言われた事から僕がそれに対して凄く悩んだ事。


長い説明が終わった後、先輩からは感情が読み取れなくて、悲しんでるのかと思い胸がいたくなった。



『……うん』



長いまつ毛を伏せるとそこから一粒、流れる涙。それに息を飲んで先輩に謝ろうとしたのだが。



『良かったよぉ!本当に発情期なんかじゃなかったんだねぇぇ!!』


「殴って下さい!僕を……って、え??」



目の前で嬉しそうに涙を流し良かった良かったとひたすら言っている。

え、ちょっと、展開がよく分からなくって混乱中何ですけど…。


それに気付いた先輩は「発情期じゃない事は知ってたよ」と。

…え!?



「な、なん、ななんなんっ」



困惑MAX。もう「何で」が出てこない。ぱくぱくしていると先輩は優しく笑った。



『知ったのはさっきなんだけどね。あの、ほら電話してる時にそらるさんの近くにいたの。 』



そらるさんの近くに…?あれ、でもそらるさんいないって言ってたじゃん。ちょっと間があったけど「いない」ってはっきり言ってた、よね?


……あんの…あほる…



「……えっと、でも、何でそんな明るいんですか?傷付いてるとか、無いんですか?」



けど先輩は傷付く理由なんて無いじゃん、と頭をこてんと横にした。


ぐっ…今の可愛いっ…。


発情期でも無いのにしてしまったではないかという事を言うと少し考え込んだが「別に良いよ」と返した。




『私が望んだ事だもの。まふ君は悪くないよ…。それに発情期だって本気で思ってた訳でしょ?騙してたなら兎も角だけど』


「…。」




私は全然大丈夫…って…何でそんな事言うの?それって、僕なら平気って捉えても良いのかな。期待しても…良い?


少し、自意識過剰…?


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作者名: x他2人 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/list/ryou/  
作成日時:2018年2月2日 22時

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