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セ、セフ…って…。
あれ、こういうキャラだっけ?そらるさんって…。
まふ君何かお怒りだし…いや、私もお怒りだけど。
「いやなら取り返してみなよ。無理だろうけど」
「"はぁ!?無理じゃないし!僕の方が絶対気持ち良くさせてあげてるもん!そらるさんのちっちゃいでしょ!?」
「勝手に決めつけんな」とそらるさんは変な所で気を張った。
…いつになったら私は声を出して良いんだろう。あぁ、もう、大変な事になってない?
「"……そ、そらるさんっ、話は、変わりますけど…聞いてくれますか"」
「は?何。別に良いけど」
「"先輩今何してます?そこにいます?"」
ちらりとこちらを見てから直ぐに逸らした。「いない」と一言。何を企んでいるのですか。
なら大丈夫、とまふ君は安心した様子で話始めた。
「"そらるさん聞いて下さい。僕ね、発情期なんかじゃなかった"」
「『えっ?』」
「だからぁ」と睨まれながら口を押さえ込まれる。ごめんなさいごめんなさいと心のなかで謝っていると離してくれた。
「"……やっぱり、取り返すなんて無理かもしれません。前言撤回です。るす君に相談した時は少し大丈夫だったんですけどね、奪う資格なんてないかもです"」
あはは…と自信なさげに笑うがそらるさんはお構い無しらしい。
「あっそ」と素っ気なく返事し、なら良いんじゃないとでも言うように切り離した。
「別に。俺関係無いから。お前が奪う気無いなら尚更セフレの関係止めないし俺的には良いし?」
確かに偽りの話でも得をするのはそらるさんだ。彼の設定の中で私はセフ……ゴホンッ…の関係なのだろうが、それをまふ君に言う必要あるのだろうか。
そして暫く沈黙が生まれる。そらるさんはまふ君の様子を伺っているが一向に何も喋らない。
それが何とも心地悪くて今まふ君がどういう感情なのか聞いてみたいくらいだ。
それに、発情期じゃないって…?詳しく聞きたいのだけれど…。
「…で、その症状は結局何なの」
「"……あっ、えと…自律神経…何とかで、それの前兆らしいです…けど…多分"」
随分と曖昧な…。
…ん?あれ。じゃあ私は、何でまふ君と…。
『…。』
私はまふ君の発情期を治すために自分からその役を引き受けた。けど、私はそんな事関係無くて本当はただただまふ君を感じてたかっただけ。だがしかし、まふ君が言うには発情期ではなかったと。
なら、私達は病気関係無く、やったってだけになるの…?
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作者名:花 x他2人 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/list/ryou/
作成日時:2018年2月2日 22時