25 ページ26
.
私はその後、三日前に軽くそらるさんに騙された事をまふ君に伝えた。
目を丸くして嘘でしょ…とでも言いたげだ。
「えと…つまり…僕と先輩がどういうしてるのか知っていると…」
「そういう事になるんじゃないかな…」と呟く。「マジかぁ」と脱力し、まふ君は危機を感じていた。
二人で、それも漫画で言う縦線が入り、どよーんとした空気に。
「あっあっ!でもですよ!そらるさんなら直ぐ連絡入れてくるはずじゃないですか!でも首突っ込まないって事は…?」
『後から痛めつけてやろうって事じゃないかな…』
「違いますよ!!しょうがないから見守ってやるって事!!」
うーん…それもあるのかなぁ…けど無い気がする。だってまふ君かなり怒られて更には私と会うのだって規制されてるじゃん。
きっと心配って言うのがあるんだろうけどそんな簡単に許してくれるだろうか…。
「僕、病院終わった後にそらるさんからLINE来たんですよ。今から会えないかって。けど丁度予定とか無かったんで言い訳とか考えられなかったんです」
「だから嘘のスケジュールを教えときました」って……駄目じゃない?それ。
まふ君とるす君が私の家を出ていって病院の時間を多く見積もったとしても私が電話した時刻と合う可能だってある。
そうするとその前後のどちらかにそらるさんが私に電話して来たって事でしょ?
その予定…意味無いし、逆に怒られる原因だと思うのだけれど…。
「結局バレちゃったし…まっ、いっか」
…あ、良いんだね。
苦笑いを零していると不意に時計へと目が行く。午前4時。これはもう一度寝るべきか寝ないべきか。
「まふ君、寝る?」と問い掛けると「んー」と悩んだ末、へにゃりと笑って私を見た。
「…まだ、先輩とお話してたいです」
それに私も笑顔で返した。
日が出るまであと2時間とちょっと。
それまでMIX関係の話や今度のライブの話。そらるさんや浦さん、さかたんなどの友達の話をしてくれて、結局私達はもう一度夢の中へと寝入っていたのだった。
.
1052人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「歌い手」関連の作品
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:花 x他2人 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/list/ryou/
作成日時:2018年2月2日 22時