・ ページ12
・
もう一度ぎゅうっと抱き締められて、ノールックで鍵を閉めてる。
頭の整理が追いつかないまま、口を開く貴方。
緑「っ、しげおかさ、何…を、」
赤「ごめん…俺、俺さ、神山君が声かけてくれるずっと前から…ええなって思ってて…仲ようなれたらええんにって下心抱えながら配達してたんやわ。」
緑「……へ、あ…そ、れって？」
赤「初めてここに配達来た時、ガッて心臓鷲掴みにされたみたいに、神山君に…惚れた。やから今日、ご飯誘ってくれてほんっまに…ほんっまに嬉しかった。今も抑えられへん、嬉しすぎて。」
こんな夢みたいな言葉が羅列されてて、ええのかなって。
ホンマに夢ちゃうよな？って疑うくらい、幸福感で満たされてる。
緑「ぁ……俺も、初めて重岡さん見た時から、ええなって…一目惚れ、やった…」
抱きしめる力が強くなって、俺の全部が、少し汗ばんだ貴方の香りに包まれる。
赤「…あっ、やとしてもいきなり抱き着いて怖かったよな。ごめん…その、泣き顔が可愛らしすぎて…」
緑「なっ！そ、そんな……あほ…」
貴方の体温が離れても、湯気が出そうなほど全身が熱い。
赤「あぁ、配達車に着替え乗せてんねん！少し散らかってるけど俺の車でもええかな、あれ社用車やないから気にせんでええし。飯いこか？」
そう優しく述べてドアの方をむく彼の袖を思わず掴む。
緑「待っ、て！あの…俺、ご飯作ります。ここで、食べませんか…？」
2人っきりで居たい。どうしても2人っきりの時間を過ごしたい、今は。
緑「あかん…ですか？」
恐る恐る聞けば、振り返ってきらきらした瞳。
赤「神山君の手料理…食えるん！？たべたい、食べたい！お願いします！」
…掃除が好きでよかった。そう思いながら愛しい貴方を部屋に招き入れた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 136人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：だてこーん | 作成日時：2024年2月17日 16時
