優等生の片割れは

＊〜28話 ページ29

こんな調子じゃ、本当に皆に嫌われちゃうな…
私ってほんと……馬鹿………

ゆっくりと起き上がる。
早く立って、先生に伝えて…皆に謝らないと…

上靴を履いて立ち上がり、ふらふらしながらも
保健室の扉を開けようとすると、同じタイミングで扉が開いた。

扉に触れようとしていたのに、その扉が開いてしまったから体がふらつく。

あ…倒れちゃう………

そう思っていた時、誰かが抱き止めてくれた。

貴女｢……｣

ボーッとしながら上を見上げると、
全く…君は今大人しくしていないといけないだろう？と
声をかけられた

貴女｢……………る…い………？｣

類｢ああ。僕だよ。Aくん、兎に角
まだ寝ていないと駄目だよ。

すまないね…少し我慢してもらうよ。｣

足と腰に手を回され、持ち上げられる。
意識が朦朧としていて思考が回らない。

ベッドに降ろされると布団をかけられる。

類｢そのうち司くんも来ると思うよ。
Aくん、倒れた時の記憶はあるかい？｣

貴女｢……うん……あるよ。｣

類｢そうかい…朝から体調が悪かったのかい？
顔も赤いが、目の下に隈が出来ているよ｣

スルッと頬に触れる類。手が冷たくて
気持ちがいい

貴女｢…………あ…の……私………｣

類｢うん？なんだい？｣

貴女｢…ずっと…言わないといけない事が…あって…
私………皆に…謝らないと…いけなくて……｣

そう言うと、目を見開く

類｢…Aくんが謝らないといけないことなんて、
ないと思うよ。｣

貴女｢そんなこと…ない…
私…皆を傷付けて…ばかりで…｣

上半身だけ起こせば、慌てて手を差しのべられる

類｢Aくん、落ち着いてからでも…｣

貴女｢今…今言わないと…ｯ｣

ギュッと裾を握れば、わかったと返事が返ってくる

貴女｢…私…昔からこんな性格で…優しくしてくれたのに
皆に嫌われたくないからって…人から離れようとして…
迷惑かけてばかりなんだ…

類達がショーをしようって…誘ってくれたの、凄く嬉しかったんだよ……ほんとに…嬉しかった……ｯ

でも……でも……っ

ごめんなさい…ｯほんとに……ｯごめんなさい…っ｣

熱のせいなのか、涙が目に溜まる
泣いたから許されるって訳じゃない…
でも…嘘なんてもう…つけない…

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