頑張りすぎな紫耀くん (ページ43)

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N

バンッ

｢｢紫耀！！｣｣

扉を開いた先には

上裸の紫耀に馬乗りになってる

パンツ一丁の顔見知りのスタッフの姿が

警｢警察だ！やめなさい！｣

ス｢んだよｯ！警察呼びやがったのは誰だぁ！？あぁ！？｣

ひとまず、来てくれた警察の方に身柄を確保されてそのまま逮捕された

永｢紫耀っ！？分かるか？皆いるで？｣

喋りかけながら頭の後ろで固定されてる布と、腕を縛ってる紐を解いた

紫耀の上半身は、真青な痣に真っ赤な傷

それと、明らかにやられたばっかの火傷痕もある

あまりにも痛々しすぎて

落ちてた服をすぐに着せた

岩｢ひど、すぎるよ…｣

永｢紫耀？しょお？こっち見て。｣

虚ろ気な目で一点を見つめてる紫耀の頬を挟んで

俺と目が合えるようにした

すると、少しして俺の事を捉えた

永｢分かる？廉だよ？もう、あいつ捕まったら。もう怖い人居らんから。よく頑張ったね。｣

頭を優しく撫でると

我慢していたであろう涙が、一気に溢れ出した

平｢ふぇ…泣…こ、わ…かｯ、た、ﾋｯｸ…泣…ｸﾞｽ…いたい、よぉ…っ泣…ライ、ター…、ﾋｯｸ…あて…ら、れてっ…きゅ、うにｯ…ｸﾞｽ…ズボ、ン……うぅｯ泣｣

これ以上喋らせたら過呼吸になってまう

永｢うん、もう大丈夫やから。考えんでええから。痛いところ、ちゃんと手当てしてあげるからね。ほんまに、もっと早く気付けなくてごめんな…もっと早く、見つけてあげられなくてごめんな…痛かったな…怖かったな…｣

割れ物を扱うかのようにふわっと抱き締めて

頭を撫で続けた

平｢ﾋｯｸ…ﾋｯｸ…泣…れ、ん…ｯ…みつ、け、て…くれ、てっ…ｸﾞｽ…あり、がｯ、と…泣｣

紫耀…

永｢ううん。ありがとうを言うのは俺らの方や。ここまで、ずっと1人で辛い思いを背負って…耐えてくれて、ありがとう。｣

皆も

力強く

笑顔で頷いた

平｢…ｸﾞｽ、う、ん、っ！｣

紫耀も

10日振りに

本当の笑顔を見せてくれた

永｢よしっ、楽屋戻ってちょっとお休みしよっか。｣

平｢ｺｸﾝ｣

それからの紫耀は

やっぱりすぐには恐怖心は取れず、

初対面の男の人を怖がる事が暫く続いたけど

俺らと一緒に過ごしたり

時には寝てあげたりしているうちに

自然と怖がらなくなっていった

紫耀、

本当によく頑張ったな。

end