導かれた先に ページ4
-4日前-
Aがスモーカーの前から姿を消した後向かったのはW7
ここでガレーラに預かってもらっていたフライダーを
ある方角へ向かう商船に乗せてもらいその船に乗って出航した
「おじさん、ここら辺でいいよ」
「お嬢ちゃんこの先はなんもねェ島とその奥は凪の帯だよ。何しに行くんだい？」
「…んー運試し？なんてね。それじゃありがとう」
フライダーを降ろし、先に見える島へ向かった
禁書にあった資料にかろうじて載っていたファミリアの所在地を示す緯度経度の数字。掠れて読めない所も何ヶ所かあり地図と照らし合わせて導き出したのがこの海域だった
「完全に凪の帯の真上だな…コレでいけるか？」
小島に寄りフライダーの充電をしている間、もう一度地図を見直す
軍艦ならさほど苦労せず渡れるのにな。ともう戻れない海軍の事を思い出す
「スモーカーさん…怒ってるだろうな」
きっともうすぐ、政府が情報を掴んでそれを海軍に渡すだろう
特殊な情報網を持っているAは、政府が鬼神一族の事を調べだしているのを知った
海軍に知れ渡るのも時間の問題だと、行動にうつしたのだ
「後はこの胸のざわめきが頼り。…さて行くか」
向かうにつれドクドクと身体の奥底から響くざわめきが大きくなっていく
まるでこっちだと導いているような
もうすぐ雨が降りそうな少し荒れる海にまたフライダーを走らせた
そして1時間ほど走らせた所で雨風も波も止まり
無風海域"凪の帯"に入った
「この指針かな…かなり揺れてる」
3つの指針の付いたログポース
1つが迷子のように揺れている
そちらに向かいまた走らせようと動いた瞬間、水面が大きく揺れ目の前に二匹の大型海王類が顔を出した
「っぁ…！？やばいっ…！！」
海楼石の付いている小船だが100%バレない訳では無いのは分かっていた。だがこんなにすぐに、と刀に手をかける
軍艦から見る姿より、直接大きさを目の当たりにして少し腰が引けるがやるしかないと刀を抜いた時、頭に何かが流れ込んできた
《通っていいよ》
《連れて行ってあげる》
二匹の海王類と目が合い、そしてその二匹はついておいでといわんばかりにAを真ん中に両隣を並走しだした
「『ありがとう』」
自分の意思に反して言葉が出る
自分じゃない誰かが話しているようだった
何が起こっているのか分からないまま導かれ、そして目の前にある島が見えると海王類はまた海の底に潜っていった
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作者名：Ancop | 作成日時：2023年3月29日 23時
