紙一重の正義 ページ20
サカズキへの一撃はすぐにマグマに取り込まれていった
だがすぐに構えた二本の刀で赤犬を切り裂くがやはりそれはAの覇気でも致命傷とはならなかった
「付け焼き刃のその力でどうにか出来る程、わしゃァ甘もォないけェ！！」
「っ！！ぐあ"ぁぁ…！！」
「Aー！！」
振りかぶった赤犬の拳が脇腹に入りAは吹き飛ばされ、そばにいたマルコが叫んだ
腹部が焼け焦げるほどの強烈な痛みが走り気が飛びそうになる
そして、痛みで歪む視界の先には
最後に言葉を残しルフィの腕から落ちていくエースがスローモーションで見えた
「…っ！エー、スっ…あ"あぁぁあ…！！」
ルフィの悲痛な叫びと共にAもそこで気を失った
エースが死して、ルフィの命をエースの生ける意志と白ひげ海賊団は全力で守り通そうと立ち向かう
白ひげは赤犬に顔半分をえぐられようが一撃を放ち、そして大きく地面が割れ全てを一人背負った
だが、ある男たちの乱入で一気にこの戦争の意味が変わり出す
「ゼハハハ！死に目にあえそうで良かったぜ！オヤジィ！」
「ティーチ…！！」
黒ひげはヤミヤミの力で白ひげに向かう
だがやはり怪物"大海賊白ひげ"
その力をも上回り、黒ひげを押さえ込んだが
最後の最後、伝説を新たな時代に繋ぐ言葉を残し、立ったまま命を終わらせた
「"ひとつなぎの大秘宝"は実在する…！！！」
海軍、海賊、世界中の人間が息を飲んだ
「ぅ…」
意識を取り戻したAが見た状況は理解し難い景色が広がっていた
立ったまま動かない白ひげ
センゴク達と戦うのはこの戦争の引き金となったエースをうった黒ひげ海賊団たち
ルフィは、と視線をやればバギーに抱えられたジンベエがルフィを抱えているが二人とも瀕死状態
それを追いかける赤犬
「ルフィは、死なせないっ…ぐっ！」
意識を取り戻したことで腹部の痛みが蘇りうずくまるが力をふりしぼり半獣になる事で少し痛みが減り動き出した
すると急にマリンフォードの外に潜水艇が現れる
それはローの海賊船で、ローはルフィを預けろと叫びジンベエとルフィを請け負った
それを見たAはローと目が合い、お前も来い！と言われたが、必ずルフィを生かしてと背を向けもう一度赤犬に向いた
そして、繰り広げられる戦場への違和感に顔を歪めた
目的を果たしてなお、倒れていく兵を捨て逃げる海賊たちを追いかける異常な"正義"
「今これは何のための戦いなの」
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作者名：Ancop | 作成日時：2023年3月29日 23時
