ひとときの暇 ページ40
「これは…どういう状況？」
セント・ポプラから軍艦に乗り海軍本部へ向かっている途中
航路が変わりとある島に寄港した
するとたしぎはスモーカーとAに船を降りさせた(かなり理由を問い質したが口を割らないのでしぶしぶ降りた2人)
そして軍艦はまた動き出した
「おい、たしぎ！！どういうつもりだ！？」
「すいませんスモーカーさん！！また明日迎えにきますので！」
「「…ハァ？」」
だんだん離れていく船と取り残された2人
するとスモーカーの電伝虫が鳴り、出ると相手はクザンだった
「2人ともお疲れさん」
「はァ…あんたの仕業か」
「まァまァそう怒るな。スモーカー、お前も最近頑張ってるでしょう、Aは…いつも通りだけど…
「オイ？」
「つー事でよ、たまにはゆっくりしておいでって話さ。あれだ、休暇よ。」
宿は予約しといたからと詳細を言われ、それじゃあねと
ガチャと切れた電伝虫。2人は顔を見合せ、大きくため息をついた
「なんて勝手な上司よ、ほんとに」
「同感だ」
だいぶ遠くになった船を見つめまたため息をついて、仕方ないと港から街へ足を向けた
ここはセント・ポプラから南の方にある少し大きな島
結構な観光地で遊園地や温泉がある最近人気の島らしい
賑わう街並みに、ちょっと前まで沈んでた自分は拍子抜けする
もうなんか、切り替えるしかないなと腹を括った
「私はいいけどスモーカーさん、服それでいいの？」
「仕方ねェだろ。これしかねェんだ」
「…じゃ買いに行こ」
「っおィ！」
Aはスモーカーの手を引き人混みに入っていった
見えた横顔は少し晴れた顔をしていたのでスモーカーも切り替えるしかねェかと葉巻の煙を吐き出した
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着替えた2人は街並みを歩き出す
Aに至っては今日２回目のショッピングだが、また違う雰囲気に、しかも横にはスモーカーもいるので心が踊った
「さっきとはえれェ差だな」
「うっ…情緒おかしいよね、私」
「まァな。だが気分が上がるのはいい事だろ」
「スモーカーさんも上がってる？」
「あァ」
「…分かんない。」
「悪かったな、怖ェ顔で」
「っあはは」
やっといつもの様に笑ったAにスモーカーも口角が上がる
何があったのか、きっと聞き出しても今は言わないだろう。それなら待つしかない
今は楽しそうなAを見ていたい
次はあそこに行きたいとキョロキョロしているAの腕を引き、その唇にキスをして手を繋いで歩き出した
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作者名：Ancop | 作成日時：2023年3月16日 15時
