身内は問題児ばかり ページ20
一応海兵の格好をしているからか、全くバレてないエース
それもそれでどうなの、と基地の警備を疑うがもう致し方ない
「ここのお偉いさんはどこにいんだ？」
「コーミル中将？これから軍法会議だと言ってたけど…まさか…」
「へへへ。サンキューな、A」
「はぁ…無理しないでね」
いつものあのニッと笑う笑顔に、諦めのため息が出てAも笑った
「そういえばついこないだルフィと会ったよ。仲間たちも皆いい人達だった」
「あァ、ルフィが仲間にしたんだ！間違いねェさ」
「…探してる人は見つかったの？」
「……。いや、まだだ。だが必ず見つけて、俺がこの手で…」
ぐっと掌を握りしめるエースに、何か嫌な予感がよぎりとっさにエースの服の裾を掴んだ
「ん？大丈夫だ、心配すんなって。俺は死なねェって言っただろ」
ポンポンと頭を撫でられ不安が取り除かれていく
「話したいこといっぱいあるよ」
「俺だってあるさ。そうだ、コレ。持ってろ」
渡された1枚の紙切れ
ビブルカードの切れ端だ
「あはっ…海軍に渡すやついる？」
「へへっ、落とすなよ？」
「わかったよ。ピンチにはかけつけるから」
「俺もだ」
そっとエースが近づいて、おでこにキスが落とされた
「っ…」
「さて、ちょっくら行ってくる。またな、A」
もう一度頭を撫でて基地内に戻って行ったエースの後ろ姿を、見えなくなるまで見ていた
その後、Aは本部へ戻りの船を出し帰還した
センゴクへの報告も終わり、元帥室でガープも一緒にお茶を頂き寛いでいると1人の海兵が慌てて飛び込んできた
「っ報告します！！つい先程、G-2支部に帰港しようとした極秘情報船が何者かに放火にあったのですが、資料および乗船員は無事だということです！ですが、それが…」
「ん？なんじゃ、ハッキリせんか」
「…火拳のエースが資料と乗船員を救出！…そして逃走をはかったもようです」
「ブフッ！！」
「ゴフッ！！」
2人してお茶を吹き出し、センゴクは呆れて額を押えた
「…分かった。下がったいいぞ」
海兵をさがらせ、ズズズとお茶を飲む2人にセンゴクは大きくため息をついた
「はァ…お前らの身内はどうしてこうも厄介事ばかり起こすんだ」
「わっはっはー。聞こえんなァ」
「あっはっはー。聞こえなーい」
その日2人の頭にたんこぶが出来ていたのはこの3人しか知らなかった
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作者名：Ancop | 作成日時：2023年3月16日 15時
