何かが変わりそうな ページ8
アラバスタの1件以降、海軍本部内はピリピリしていた
七武海クロコダイルの陰謀を暴いたのが"麦わらの一味"だという事を政府上層部はもみ消し、その後始末に追われていた
「(やっぱりクロコダイルは裏があったか。胡散臭い男だもん。スモーカーさんも何か気づいてたんだろうな)」
バタバタと海兵たちが行き交う中、Aはアラバスタの出来事について考えながら歩いていた
とある情報屋からの話でクロコダイルの動向について調べる為、他任務の部隊に同行しアラバスタ周辺での調査を個人的に行っていたのだが、麦わらの一味の乱入で手を出すことも無く解決した
「(ルフィのおかげでアラバスタが壊滅するのは防げたから良かったけど、ほんと相変わらずだなぁ。それにしてもルフィにもエースにも再会するなんて…そういえばエース、誰かを探してるって…大丈夫かな)」
考え事をしながら自室に入りコートを脱ぎ、ティーポットにお湯を入れていると何か視線を感じ振り向いた
「ぎゃぁ！！」
「色気ねェ声出すんじゃねェよ」
「スっスモーカーさん！え、いつから！？」
「お前が帰ってくる前から居たが」
「うっそ…気づかなかった。でもなんで本部に…あ、昇格の事？」
「チッ。」
ソファにドカりと座っているスモーカーは葉巻の灰を落としまたいつもの様にくわえなおした
紅茶を淹れたカップを持ったAはその隣に座る
「聞いたよ。クソ喰らえって言ったんでしょ！さすが野犬」
「うるせェ。政府のジジィ共にしてやられるくらいなら勲章なんざいらねェってんだ」
「スモーカーさんらしいね。でもダンスパウダーの回収はお手柄なんでしょ？」
「お前がくれた情報とクロコダイルの話で行動が分かったよ。助かった」
「良かった！確信が無かったから曖昧だっけどね」
ぽんっと頭を撫でられて少し照れくさそうにズズっと紅茶をすするAを見てスモーカーはフッと笑う
「A、最近何か変わりねェか？」
「ん？」
「よく寝んだろ、急に」
「…あー、寝不足なんじゃない？私忙しいし…っ」
「誤魔化すんじゃねェよ」
葉巻を外したスモーカーの顔がぐっと近づいて、Aはソファに深く埋まる
「何かあるんなら、頼れ。いつでも駆けつけてやる」
「ん…うん…ありがとう」
もう一度頭に手を乗せ髪をくしゃっとすると、スモーカーは立ち上がりじゃあなと片手をあげて出ていってしまった
「っ…なんなの、もう」
ドキっと胸が高鳴った
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 96人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：Ancop | 作成日時：2023年3月3日 0時
