触れたい気持ち ページ39
「ローのやつ…っ変な言い方しやがってぇ…」
スモーカーからローとの会話を聞いたAは正座のまま頭を抱え丸まった
「でェ？どういうこった？あァ？」
「(めっちゃおこーっ)…
ど、どういうって、薬で解毒してもらっただけ、です…」
「あァン！？」
「ヒィ！！」
余計に縮こまるA
実際、Aは気絶していたので事実はローしか知らないのだから言われた通りにしか言うことはできないのだが
スモーカーの怒りを沈める方法がわからなくて、頭を悩ます
「ほんとに、多分だけど！そういう事はされてない、と思うんだけども…私も、気を失ってたみたい、だから…」
だんだん声が小さくなっていくAにスモーカーは深く息を吐いた
嘘はついて無いのは最初から分かってるが、ローの見え見えの挑発に揺さぶられている自分にもイライラしてしまい、Aから違うと聞かないとこの嫉妬心が治まらなかった
「何もされてねェんだよな？」
「うん…たぶん…。っ？！」
煮え切らない返事にスモーカーは、起き上がったAをそのまま後ろに倒し覆い被さった
「ぇ…スモーカーさ、ん？」
「てめェはホントに…隙だらけなんだよ。もっと自覚持て。じゃねェと今すぐ俺のもんにしちまいてェぐらいなんだよ、俺ァ…」
「っ…」
鼻先が当たる距離にだんだん真っ赤になっていくA。
愛しさが溢れ欲望がうずく。本当にこのまま…と頬を撫でたが、理性を保ちAの髪をぐちゃぐちゃにして離れ、新しい葉巻に火をつけた
「ぁ、あのっ…」
「あんま煽んじゃねェ。本気で食っちまうぜ」
目を潤ませるAに、このままはまずいと大きく煙を吐き出すと、立ち上がりドアへと足を向けた
Aに名前を呼ばれたが、「ゆっくり休め」と片手をあげ部屋を出ていった
「あんな顔、誰にも見せんじゃねェよ…」
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スモーカーの出て行った扉を見つめる
さっきの光景が頭から離れない
自然と嫌ではなかったのに初心ゆえに固まってしまって、何も言葉が出せなかった
「説教されてたんじゃなかったっけ…」
のそのそとベッドに潜り込み未だにドキドキしている胸に手を当てると、スモーカーの顔を浮かべてしまった
「っ…」
ずくり。となぜか身体がうずく
あの時と似た感覚が押し寄せてくる
「まだ…治ってないのかなっきっとそうだよね」
完全に自分の気持ちに気づいてしまうが、それを隠すように毛布を頭から被った
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作者名：Ancop | 作成日時：2023年3月3日 0時
