安心する背中 ページ37
「ぁ…スモーカーさ、ん…？」
「こんなザコにやられてんじゃねェよ、A」
煙の飛んできた方を見ると、スモーカーを先頭に数名の海兵達が立っていた
「なんでっ…」
「捕まってた海兵がなんとか応援を呼んだんだ。近くに居たのが俺達でな。まさかこんな事になってるとは思いもしなかったが」
「スモーカーさん！捕まっていた海兵達、全員保護しました！…ぇっ、A？！一体何が！？」
捜索に向かっていたたしぎが戻ってきて、Aを見るなり駆け寄り背中を支えた
「ん…たしぎちゃん…」
「どうしてこんなっ…」
「たしぎ、Aを救護班のとこへ連れて行け。後は俺が片付ける」
「は、はいっ！！」
「…スモーカーさん…」
「後で説教だ、お前は」
スモーカーは葉巻の煙をふかしながら、先程吹っ飛ばした王子の元へ歩いていった
Aはその背中を見つめ、たしぎの肩を借り外へと歩き出した
「衣装部屋でコレを見つけて…まさかAがこんな状態だとは…」
「ありがとう…手放しちゃダメだね…」
たしぎはAの軍服と刀を回収してくれていたらしい
苦笑いするAにコートを被せ、また歩き出した
ガラガラガラ…
瓦礫に埋もれる王子を引っ張りあげるスモーカーの顔はいつにも増して怒りに満ちていた
「一国の王子に手ェ出しちゃまずいかもしれねェが、もう一発殴っていいか？」
「ゲェホッ…ぅう」
「てめェ…Aに何しやがった」
「ぼ、僕はっ、彼女を手に入れたかっただけでっ…でも力じゃきっと…だから薬を飲ませてっ…体に教えこんでやろうとっ…
「ふざけんじゃねェ！！てめェみたいなクソ野郎があいつに手ェ出してんじゃねェよ！！」
「ヒィィッ…！！」
王子はスモーカーの気迫に泡を吹いて気絶した
スモーカーはチッ！と大きく舌打ちをして、王子をそのまま連れ、国王の元へ向かった
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その後
今回の首謀者の王子、そして全部知っていた国王達は
スモーカーの隊による城の制圧で、降参し全てを白状した
スモーカーの報告により事情を聞いたセンゴク達は激怒し今にもバスターコールでもかけそうな勢いだったが、Aの制止と、この事の他言無用で金輪際Aに関わらないという約束で、王族の崩壊は免れたのだった
そしてA達の乗る海軍船は本部へと出航した
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作者名：Ancop | 作成日時：2023年3月3日 0時
