鯨船の宴 ページ31
「広っ！大きいね、この船！」
「おい！あんまりうろちょろするな…
「なんだ？この子供は？…マルコの隠し子か…？」
「おかしいだろうよい！なんでそうなるんだ」
「えっ…すっごい綺麗な人…」
甲板に出ると丁度戻ってきていたイゾウに会うが、Aはイゾウに釘付けになってしまった
「女の人？」
「いや、俺は男だ。昔からこういう格好なんだ」
「へぇー！素敵！ねェ、私の髪もそういう風に結ってよ」
「コラA、いい加減にしろよい…
「グラララ！なんだァ、そいつが拾ったっていうガキかァ？」
3人の前に大男が立ちはだかる
"白ひげ海賊団"船長 エドワード・ニューゲート
この名を知らないやつは居ないぐらいの大海賊だ
「え…まさかココって…」
さすがのAも知っていたのか開いた口が塞がらない
「グララララ。おめェ、ガープんとこのガキだなァ？」
「ハッ？！ガープ、ってあのガープかよい？！」
「…人違いであって欲しいね」
「でかくなったじゃねェか。さすがガープが育てただけある、良い目ェしてやがる！グラララ！」
ガープによく海に連れて行ってもらっていたので、その時に会ったことがあるのだろう。本人はこんな大海賊に会ったのに覚えていないが。
「お前も海軍に入ったのかァ？」
「一応、成り行きですけど」
「なっ！お前海軍なのか？！」
「海軍の子って言ったじゃん」
「っはァァ…」
なんだか振り回されているマルコは頭を抱えた
「これでもこの前少佐になったんだよ」
「少佐？！っダメだ…俺は疲れたよい…」
「グララララッ！」
ふらふらとマルコは医務室に消えていった
何やかんや話も盛り上がってきたので、白ひげは宴だァ！と叫んで、そこから白ひげ海賊団との宴が始まった
「ほんっとサッチさんのご飯美味しい！」
「ありがとよ！だが変な気分だな、海兵に飯作ってやるなんてよ！」
「俺も海兵の髪を結ってやるとは思わなかったさ」
他の一味たちも興味津々でAに構っていき、途中から参加したマルコとも打ち解けていった
Aには、人を惹きつける力がある。そして、それは大人になれば、魅了させてしまう力となっていく。
ぐびぐびと酒をあおる白ひげは、何かをAに感じていた。
そして夜も更けて来た頃
「さてと、そろそろ帰ろうかな」とAは立ち上がって
皆に頭を下げた
「良くしてくれてありがとう！また遊んでね」
この日からがマブダチ白ひげ海賊団のお話だった
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作者名：Ancop | 作成日時：2023年3月3日 0時
