魅惑と無意識 ページ29
「おィおィ、イゾウ。俺が先にみつけたんだよい？」
「マルコさん！」
「事実を言ったまでさ。だがA、お前の強さなら心配はいらないだろうが…その格好は少し気をつけた方がいいぞ」
「あァ同感だ。…連れ去りたくなっちまうよい」
「ふ、2人して何…？」
「自覚無しか」
「昔もそうだが、今もっと海軍がAに溺愛する理由がわかったよ」
マルコには優しく手を取られ、イゾウには結った髪から零れる毛を耳にかけられる
何この状況…とどぎまぎしていると、2人の電伝虫が鳴り響き、それに応答し終わると名残り押しそうに、マルコは頭を撫でイゾウは頬を撫でた
「すまない。行かなければならなくなった…もう少しこうしていたかったが。」
「いいか？変な奴について行くんじゃねェよい？それとこれを羽織ってろい」
マルコが着ていた羽織を着せられ、そして不死鳥になったマルコにイゾウが乗り、飛んでいってしまった
「…なんだったの…？」
先ほどお風呂で充分癒されたのになぜかどっと疲れたような気がして、その日はもう宿に向かった
「てゆうか、こんなのまたおつるさんにバレたらほんとやばい。ペラペラにされる」
この前の説教を思い出してブルブルと震えたAだった
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グランドライン 海軍 軍艦船上
「Aは今頃温泉でも入ってんですかねェ」
「ええのう。わしもついて行けば良かったわい」
「懲りねェ人だな。そんな事したら本当に嫌われちまいますよ」
クザンとガープはとある海賊への厳戒態勢に、軍艦を引き連れて海に出ていた
あの"赤髪"が使者を使い、"白ひげ"へ接触を試みたと情報が入った
「まだどうこうしよらんとは思うが…ルフィを海賊の道に引きずりこんだ男"赤髪のシャンクス"。あの青二才めが。何を考えておる…」
ガープは荒れる海に拳を握りしめた
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チュンチュン
小鳥のさえずりで目を覚ます
まだ陽が顔を出す前、いつもと違う景色に時間の流れすら遅いんじゃないかと思う朝のまどろみにゆっくり寝返りを打つ
「んん…」
枕元の電伝虫に手を伸ばしある番号を打ち込み数秒待つとある人に繋がった
「《…俺だ。どうした、こんな朝っぱらから》」
「…スモーカーさん…」
「《A？》」
「すぅー…」
「《…おい、寝ぼけてんのか？…ったく、可愛いことしてんじゃねェよ、バカ。…おやすみ》」
水平線から朝陽が顔を出した
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作者名：Ancop | 作成日時：2023年3月3日 0時
