女はつらいよ ページ12
「A、今いいかしら？」
「ヒナさん！あー、ちょっと待ってね？これだけ片付けちゃうから」
「あら、、なにこの状況？ヒナ驚き」
とある日の海軍本部
Aの部屋にやってきたヒナが見たのは、色んな包みや紙袋で溢れかえった部屋だった
「あー…この間助けた商船に乗ってたのがどっかの王国御用達の商業人だったらしくて。お礼だとかなんとかでここ3日間こんなに送ってくるの…」
「3日でこんなに？」
「違うよ、1日でこんなに…あっちに2日分」
指さした先には、最近流行のブランド物や香水、服やお菓子などが山ずみにされていた
「これは、お礼だけじゃないわね…」と、包みに挟まっているカードに書かれている文字をAに見せた
[ 愛しのAさんへ ]
「モテモテね？」
「はぁー。ほんと困る。仕事しただけだってゆうのに」
「…これはスモーカー君もうかうかしてられないわねぇ」
「？スモーカーさんが何？」
「いいえ？なんでもないわ」
「あ、これヒナさん好きそう、あげる」
ガサガサとプレゼントの中身を渡してくるAに同情の溜息をつきながら受け取った
「そういえば忘れるところだったわ。今夜飲みに行かない？西通りにいいお店見つけたのよ」
「行くー！」
「決まりね？それじゃぁ7時に、市街の噴水公園で」
ヒナはニコッと微笑んで部屋を出ていった
「さてと…とりあえずお菓子以外は全部給仕の子達にあげよう。あとサカズキさんにやめてくれって電伝虫してもらお」
この後、給仕室ではブランド品が溢れかえり
将校たちに出される茶菓子には高級お菓子が数日間出続けたらしい
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「おまたせー！」
夜7時。いつも待ち合わせ場所にしている噴水公園にAがやって来るとヒナはタバコを吸いながら腰掛け待っていた
「それじゃぁ行きましょう」
「ヒナさん今日は飲みすぎないでね！」
「いつもだって飲みすぎてないわ？」
「覚えてないからタチわるーい」
ヒナは酒癖が悪いらしく、いつも飲みに行けば何件も付き合わされるのだ。Aは酒に弱い訳では無いがたしなむ程度なので、結局他の海兵達を見つけて一緒になって飲んでいるヒナを見て楽しんで、寝落ちるか先に帰るかだった
西通りの噂のお店は、Aの好物の天ぷらが有名らしくメニューも豊富で、最近オープンしたばかりの人気店だった
「さぁ！今日も飲むわよー！」
長い夜が始まる
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作者名：Ancop | 作成日時：2023年3月3日 0時
