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壱話 ページ2

寒い冬の半ば。




私に降り掛かった悲劇は、突然に起こった。



その時の年は、まだ10もいっていなかった。


私は居間で、勉強をしていた。新しい事を学ぶのが大好きだった。

しかしたった今、お客さんが来て母と話しているため集中力が途切れてしまっていた。


どうやら、お客さんは男らしい。
話を聞こうと頑張って耳を傾けていたが、何を言っているのかさっぱり分からない。

すると、

母「A。ちょっとこっちきなさい。」


そう言って、母は私を呼んだ。私は、何を言われるのか期待して胸をはずませて



貴女「はい!母上」


と元気よく返事をして、玄関にいる母のもとへ向かった。




「おおう、これはこれは。可愛らしい娘さんで。」




玄関につくと、中年の青い着物をきた見たこともないおじさんが立っていた。



母「紹介します。この子が、家の末っ子であるAです。年は、9つでございます。」




「良い逸材になりそうだ。どれ、これぐらいで……。」


男は、母に巾着袋を渡した。

私は何が起こっているのか、さっぱり分からない。

しかし、嫌な予感は読み取っていた。






すると






母「A。もう、この家から出ていきなさい。」


暫くの沈黙のあと、母は私の方を見てはっきりとそう言った。


貴女「え……?」




私は、困惑した。突然、そんなことを言われたのだから、そうなるのも無理はない。


母「あなたは、もう9つ。働きに出るのは当然です。この男についていって、これからは生活しなさい。」

淡々と事を述べる母。

私は、すごくすごく悲しかった。


貴女「母上!嫌でこざいます。私は、ここで暮らしたい!」


目に涙をためながら、私は必死に叫んだ。


母「親の言うことも聞けないのかい?私は、そんな子を育てた覚えはないね。そこの男、こいつを連れていくが良い。」



男はニヤリと怪しく笑い、



「奥様、有り難きに存じます。おい、この少女を連れていけ!」




と言った。


すると、男の後から2人のがたいのしっかりとした青年が現れて私の腕を掴んだ。



貴女「いたいっ!やめて、触らないで!」

泣きじゃくる私を無理やり抱き抱え、家の外に出させようとする。


貴女「やだっ、母上!助けて!




……………………母上っっっ!!!」




私は、無表情の母の顔を見たのを最後に気を失ってしまった。



これが、私の幼い時の悲しい記憶。

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設定タグ:イナズマイレブン , 基山ヒロト , 遊女   
作品ジャンル:アニメ
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りま(プロフ) - ゆーみやン@JustinB好きさん» ありがとうございます!本当に嬉しいです!これからも宜しくお願いします。 (2017年4月26日 19時) (レス) id: 955dc22c3d (このIDを非表示/違反報告)
ゆーみやン@JustinB好き(プロフ) - 完結おめでとうございます! 切ないお話でしたが、感動しました!! 読み飽きなかったです! これからもりまさんのこと応援しています!( *´艸`) (2017年4月9日 1時) (レス) id: cef1a7a657 (このIDを非表示/違反報告)
りま(プロフ) - 南野ユウカ@元ぱるさん» ありがとうございます。そんなこと言っていただき本当に嬉しい限りです。今後ともりまの作品を宜しくお願いします。 (2017年3月25日 8時) (レス) id: 7395b73eeb (このIDを非表示/違反報告)
南野ユウカ@元ぱる(プロフ) - 完結おめでとうございます。とても面白かったし、展開が読めなくて凄くワクワクしてました。 (2017年3月25日 6時) (レス) id: 16e2777840 (このIDを非表示/違反報告)
ぱる(プロフ) - りまさん» はい!更新頑張ってください!!(o^-')b ! (2016年11月13日 9時) (レス) id: 16e2777840 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:りま | 作成日時:2016年5月28日 17時

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