平成跳の10人目はテキトー過ぎる医者(仮)でした

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Aside



「……精神科医になったことで何か迷惑になったことあるんですか、」







母「とんだ迷惑よ！ こっちは外科医にならせようと折角頑張ってたのに！ この20年間すべてが無駄になったわ！」







伊「……それは違います、」







母「貴方はなんなの！？ 部外者は黙ってて！！」







伊「部外者？ じゃあ客観的な意見を述べさせていただきます。



　まず貴方のしている行為は束縛です。彼を外科医にならせたかった？ 彼自身はどう思ってたんでしょうかね。


　
　それから貴方達に迷惑がかかった？ 貴方は知ってるんですか、彼が働いた給料の三分の一を貴方方に振り込んでること。その様子だと知らなそうですが。



　親というのは、子供が一人前になるまである程度のレールを引かせて、最終的には一人にさせるのです。貴方達が彼を外科医にさせるために注ぎ込んだ20年間は本来彼に世の中の理を教えるためのものです。




　その20年間を無駄にさせたのは貴方達じゃないですか？」








真っ当な意見だった。昔から変わらない芯の強さ。こんなに適当に見えるのに一番よく周りを見ている。彼のそういうところが好きだったりもする。








母「……うるさいわね、客観的な意見って所詮一人の考えよ、」






「母さん、この人は俺の信頼する恩人。そして俺はこの人の言葉に救われた。俺がどうして５年も経って帰ってきたと思う？ 母さんたちに二の舞を踏んでほしくないからだよ。俺みたいな辛い思いもう誰にもさせたくない」








伊「自分の子供が自分で決めたことを真っ向から否定するって……貴方は本当に親ですか？」









母さんには俺の今の姿を見てほしい。こんなにいい仲間に巡り合えて幸せなんだよ？ これ以上の幸せはないってぐらい。そんな仲間を見せたくて伊野尾ちゃんを連れてきたんだ。

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