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涼介.
涼「……できれば、俺が起きてるときに抱きしめてほしいな〜、」
「なんちゃって」そう呟く声は、どんどん小さくなり消えていった。たったそれだけのお願いなのに、何ではっきり言えないんだ、俺……こんなんじゃ知念に笑われる。
至って普通の顔で「今時の中学生でももっと大胆だよ」と言われたときは、流石にびっくりした。
『……善処します』
涼「ほんと?」
『うん……涼介が、そうしてほしいなら』
ふわりと柔らかく微笑んだAちゃんは、俺の胸元に顔を埋めた。細くて柔らかい髪から覗く耳は真っ赤で、いっぱいいっぱいになっているのは俺だけじゃないと分かる。……何かいいなあ、慣れてないのはAちゃんも一緒ってことか。
俺より二年分は人生の先輩な彼女のことだから、何でも余裕でこなしてしまうのだと思っていた。
そのままゆっくりと遠慮がちに伸びてきた腕が、俺の背中に添えられる。
『……あったかいね』
涼「ん〜……そうだね。あったかい、」
『涼介、やっぱり甘い匂いする……』
涼「そう?」
『うん。いい匂い』
「私、匂いフェチかも」と笑ったAちゃんは、俺の首元に顔を寄せた。あ、ずるい……ずるすぎるって、それは。そういうところが、世の男を夢中にさせるんだろうな……俺もその一人だよ。
涼「……Aちゃんといるとさ、心臓がいくつあっても足んないね」
『え?』
涼「すぐそういうことする……」
『……あ、くすぐったかった?』
何か悪いことをしているときの、小さな子供みたい……ふふ、と楽しそうに笑ったAちゃん。本人が楽しいならそれでいいけど、俺はいつか本当に心臓をやられる気がする。
こんなに可愛いんだもん、……俺の彼女。
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流星(プロフ) - showtimeさん» はじめまして!コメントありがとうございます(^_^)どちらも読んでいただけているとのこと、とても嬉しいです…!私自身少し見切り発車で書き始めてしまったので、お気遣い本当に有り難いです( ; ; )(笑)今後ともよろしくお願いいたします! (2021年8月17日 0時) (レス) id: e764027ef8 (このIDを非表示/違反報告)
showtime(プロフ) - はじめまして!昨日から紅一点を読ませていただいてこちらも気になり読ませていただきました!メンバーそれぞれの雰囲気といい話の展開もとても読んでいて楽しくて最高です!!^ ^並行で大変かと思いますがどうか気負いされませんよう、、願っております!笑 (2021年8月16日 16時) (レス) id: cbd3c1c59a (このIDを非表示/違反報告)
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